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アジア 5年前

韓国代表、後味悪いアジアカップ8強進出。ソン・フンミンよりも重要だった大黒柱とは?

text by キム・ドンヒョン photo by Getty Images

大きすぎたキ・ソンヨンの存在

キ・ソンヨン
キ・ソンヨンはハムストリングの負傷で韓国代表離脱が決定済み。チームに欠かせない柱だった【写真:Getty Images】

 この全体的なパフォーマンスの低下の原因は一体何だったのか。やはりキ・ソンヨンの不在が響いた可能性が高い。韓国の中盤にキ・ソンヨンよりしっかりと中心となってくれる選手はいない。23歳のファン・インボムが昨年から頭角を現しているが、力量としては比べ物にならない。まずキ・ソンヨンがいない中で、誰がビルドアップを担うか不明確だったのが、韓国代表の全体的なギアダウンにつながってしまった。

 ベント監督はこの日、キ・ソンヨンの代わりにソン・フンミンを中盤に配置した。ボールを運べる役割かつ、前線と中盤のつなぎ目としての役割を期待していたのだろう。アジア大会でもソン・フンミンは中盤でのプレー経験を持っているため、全く慣れてないポジションではないはずだった。

 だが、そのポジションでソン・フンミンが機能しなかった。バーレーンはソン・フンミンをマンツーマンで徹底的にマークした。それによって持ち味の豪快なドリブルやシュートの場面は少なくなった。ビルドアップに対しての負担もあったはずだ。ソン・フンミンも試合後「キ・ソンヨンがいないこと自体が大きな戦力の損失だった」とコメント。もしキ・ソンヨンがいたならばもっとスムーズに試合を展開できたかもしれない。

 それでも離脱した彼をチームに戻すことはできない。残った選手たちがこれからどのように戦っていくか、チームの雰囲気をどう立て直していくかがより重要になってくる。ベスト8で激突するカタールは4戦全勝、11得点無失点という立派な成績で勝ち進んできた。決して侮れないチームとの決戦を制するには、この悪い後味を洗い流すしかない。

(文:キム・ドンヒョン)

【了】

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