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サッリ解任はまだ待つべき! チェルシーに復調の兆し、ジョルジーニョに芽生えた変化

text by 小澤祐作 photo by Getty Images

勝利するも課題は残る

 しかし、守備陣は安定していた。ハリー・ケインにはダビド・ルイスが粘り強く対応し、攻撃の要であるクリスティアン・エリクセンにはジョルジーニョやエンゴロ・カンテがマーク。前半はトッテナムの枠内シュートを見事0本に抑えた。

 勝負の後半。チェルシーは開始からわずか50秒ほどでイグアインがシュートを放つなど、前半同様良い入りを見せた。

 そして57分だった。セサル・アスピリクエタのスルーパスに抜け出したペドロ・ロドリゲスがペナルティエリア内でトビー・アルデルヴァイレルトを交わしシュート。これがウーゴ・ロリスの股下を抜け、ゴールネットを揺らした。

 チェルシーにとっては待望の先制ゴール。ここから同チームは完全に勢いに乗り、トッテナムの脅威となった。84分にはキーラン・トリッピアーがまさかの形でオウンゴールを献上。思わぬ2点目が入ったチェルシーは、この瞬間に勝利を確信したであろう。

 そして、なんとホームチームは相手の枠内シュートを0本に抑え、90分を終わらせたのだ。最近何かと暗い話題が多かったチェルシーに久々に訪れた嬉しいニュース。スタンフォード・ブリッジは大歓声に包まれていた。

 カウンターの完成度は未だ低く、そこは改善する必要がある。アザールは疲労の影響からか本来のプレーを見せることができなかったが、背番号10に頼り過ぎない攻撃の形も見つけ出したい。今回の試合ではペドロが輝きを放ったが、今後も同選手やウィリアンといったサイドアタッカーの選手には、アザールへの負担を減らすような活躍が求められる。

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