ヴィッセル神戸の「バルサ化」、つぎ込むべきは金よりも時間。ピッチ外の「ズレ」が障壁に【英国人の視点】

2019年04月28日(Sun)10時00分配信

text by ショーン・キャロル photo Getty Images
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成功に必要なのは金よりも時間

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会長を務める三木谷浩史氏(左)と元バルセロナのエリック・アビダル氏【写真:Getty Images】

 三木谷氏はこれまでの18ヶ月間に、何度も欧州の有名サッカー選手たちと並んでカメラに笑顔を向けてきた。楽天ブランドはメディア露出を大きく強めているが、ピッチ上での本格的なインパクトを目にすることはまだできていない。

 イニエスタは並外れた能力を垣間見せているが、リーグ全体を支配するには至っていない。ポドルスキは2017年夏に加入して以来なかなか大きなインパクトを見せられず、浦和戦では残り20分で途中交代となった。ダビド・ビジャは早くも負傷で離脱している。

 バルサから直接加入したばかりのセルジ・サンペールはまだ本調子ではないと言えるかもしれない。ダンクレーは浦和戦で不格好なファウルを犯して致命的なPKを与えてしまうなど、リーグワースト3位タイの失点を記録する守備陣を強化することはできていない。

 埼玉での試合では、アウェイに駆けつけたファンの前に「共に乗り越える為に俺達がいる!」と書かれた横断幕が掲げられ、連敗を喫したチームに対しても温かい拍手が送られていた。もちろんサポーターは、現在のメンバーが加入する前からチームを応援しており、その選手たちが去った後もずっと応援を続けていくことだろう。

 楽天が本気でヴィッセルをバルサ化し、いつかはファンが笑顔でスタジアムを去ることができるようにしたいのであれば、選手が過去にどこでプレーしていたかだけを考えて獲得に大金を投じるのではなく、クラブを土台から作り変えるための一貫した哲学を生み出すことに集中すべきだろう。

 成功に必要なのは、金をつぎ込むこと以上に時間をつぎ込むことだ。

(取材・文:ショーン・キャロル)

【了】

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