ヴィッセル神戸の「バルサ化」、つぎ込むべきは金よりも時間。ピッチ外の「ズレ」が障壁に【英国人の視点】

2019年04月28日(Sun)10時00分配信

text by ショーン・キャロル photo Getty Images
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時間と忍耐と監督への信頼

 リージョが自らの意志でクラブを去った先週の時点で、神戸は10位に位置していた。昨年10月に同監督が任命された時点と全く同じ順位だ。だがもちろん彼の就任は、単に即座の結果をもたらすためのものではないと捉えられていた。

「ペップ・グアルディオラが指導を受けた最高の監督」だと言われる男は、ヴィッセルに新たなスタイルと考え方を植え付けるために招聘された。神戸を日本のバルセロナに変え、チームのスローガンにあるように「アジアNo.1クラブ」を目指すためだ。

 目指すのは良いとしても、バルセロナのプレーのやり方は長い年月の間に培ってきた確固たる哲学に基づいたアプローチであり、若手育成の重要な時期から選手たちに深く教え込まれているものだ。

 バルサの個々の選手たちはワールドクラスだが、一人の選手がチームを担うのではない。選手たちのグループが本能に基づいて整備の行き届いた機械のようにスムーズに機能し、組織的な連係で対戦相手を打ち破っている。

 言い換えれば時間と忍耐と監督への信頼が必要だということであり、たまたまバルサの元選手を数人獲得する現金を持っていたようなチームに単純に導入できるものではない。

 リージョ監督が6ヶ月でタオルを投げる決断を下したことは、その点の理解に関して何らかの相違があったのではないかと感じさせる。退任翌日に楽天CEOであり楽天ヴィッセル神戸株式会社の会長を務める三木谷浩史氏がエリック・アビダル氏とともに東京で楽天主催の会見に登壇し、他ならぬバルセロナとの今夏の親善試合開催を発表したことも、そのズレを強調していたと言えそうだ。

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