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リバプールが起こした衝撃的な奇跡。不可能を可能に変えた90分間、バルサとの違いはどこに?

text by 小澤祐作 photo by Getty Images

バルサにとって悪くなかった前半

 前半早々に先制に成功したことで、スタジアムのボルテージも高くなり、リバプールも攻守両面でバルセロナを上回ることができていた。この勢いのまま2点目を…そんな気持ちが、試合のなかに表れていた。しかし、徐々に安定感を取り戻していったのはバルセロナの方だった。

 15分にはブスケツからJ・アルバへ一本の長いパスが通る。背番号18はアリソンと1対1になる場面を作ることができたが、なんとシュートは放たず、後方から上がってきたメッシへのパスを選択。背番号10はボールをコントロールしたが、最後はジョエル・マティプに捕まり、シュートには持っていけなかった。リバプールはJ・アルバの判断ミスに助けられた形となった。

 さらに17分にはメッシがドリブルで中央を突破すると、最後は左サイドのフィリッペ・コウチーニョへパス。同選手は右足でシュートを放ったが、アリソンにストップされた。

 バルセロナはボールを保持するリバプールに対し、ショートカウンターからいくつかのチャンスを生み出すことができていた。守備時にはアルトゥーロ・ビダルが躍動し、リバプールのカウンターを阻止する場面もあり、時間が経つにつれボールを保持することも多くなっていた印象だ。

 前半ATにはメッシからJ・アルバへ見事なスルーパスが通る。最後はアリソンのセーブに阻まれたが、最後の最後までリバプールの脅威となった。

 前半は1-0で終了。ただ、早い時間に先制ゴールを奪い、凄まじい勢いを持ったリバプール相手に45分間を1点で凌げたことは、バルセロナにとっては悪くなかったはずだ。

【次ページ】明暗を分けた2点目

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