その中心に「長谷部誠がいた」こと。チェルシーすら互角。日本人こそ語り継ぐべきフランクフルトの躍進

2019年05月10日(Fri)12時05分配信

text by 本田千尋 photo Getty Images
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フランクフルトの強みが互角の展開に

「自分が中盤に入ることで、もう少しゲームを落ち着かせたり、自分のところでボールをセイフティに、ゲームを組み立てるという意図があったと思う」

 そうした「意図」は、2ndレグでも踏襲されたようだ。「経験のある選手」として、後方で冷静にボールを動かした。さらにドリブルでハーフウェイラインを越え、サイドに展開するなど、積極的に「ゲームを組み立てる」。

 後半に入って、同点弾を呼び込んだのは、そんなベテランの日本人MFが蹴った1本のパスだった。49分、中央をドリブルで上がって、前線のルカ・ヨビッチにふわりとボールを入れる。セルビア代表FWが落とすと、ミヤト・ガチノヴィッチがダイレクトで前に出す。ぽっかり空いたスペース。ヨビッチがゴールの左隅に突き刺した。

 試合を振り出しに戻したことで、息を吹き返したフランクフルト。ギアを入れ直す。前半に比べて少しトーンダウンしたチェルシーに対し、ドイツからやって来た挑戦者たちの運動量は衰えない。

 長谷部は自陣のゴール前で固い守備に貢献し、フィリップ・コスティッチとダニー・ダ・コスタは左右両サイドから果敢に攻め、アンテ・レビッチは前線で体を張った。1stレグを終えて長谷部が話した、チェルシーに無くてフランクフルトにある強み=「チームとして戦う部分」で、敵に主導権を渡さなかった。

 そして激闘は延長戦に突入する。負傷離脱していたセバスティアン・アレアが復帰したことで、再獲得した高さという強みを活かしながら、なおもフランクフルトはチェルシーを相手に互角の戦いを続けた。

 長谷部も奮戦した。ミスパスから強烈なカウンターを食らう場面もあったが、90分を終えても運動量は落ちず、バイタルエリアに蓋をする守備の固さは相変わらず。守護神ケヴィン・トラップも攻守を見せ、延長戦はスコアレスに終わり、勝負の行方はPK戦に委ねられることになった。

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