U-20日本代表・田川亨介が持つ怪物ロナウドの資質。両立しえないものを兼ね備える現代にマッチしたFW【西部の目】

2019年05月31日(Fri)10時00分配信

text by 西部謙司 photo Getty Images
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田川が兼ね備えるFWの資質

 快勝したメキシコ戦は、U-20の歴史でも画期的だったように思う。これまでも素晴らしいゲームは何度もあった。ただ、ここまで「普通に強い」日本は珍しい。

 ボールは持てるが崩せない、崩せても決定力が低い、ロングボールに弱い、フィジカルコンタクトに劣勢……。そうした従来の日本につきものだった弱点がないのだ。どんな状況でも困らない。競り合いには強いし、空中戦もまったく負けていない。そしてチャンスには確実に決めてしまう。

 宮代大聖が2得点、田川が1得点。オフサイドだったが、田川はもう1本ヘディングシュートでネットを揺らしていた。宮代の2点目は田川のアシスト。バイタルエリアでパスを受け、一呼吸おいて宮代へラストパスを送っている。

「それほどプレッシャーがないのは前半でわかっていたので、(宮代とは)奥の選手がいったんボールを止められるねという話はしていました」(田川)

 今大会に限ったことではないが、ポジションごとに求められる資質は少しずつ変化している。例えば、MFには明確にアジリティが求められている。ボールの奪い合いという点で、中盤が最も熾烈なエリアになっているからだ。

 ゲームメークの能力だけでなく、相手のフィジカルコンタクトを体でブロックしてすり抜けられるかどうか。プレッシャーが厳しいということは、それをかわせれば一気にチャンスになることを意味する。ただし、ファウルで止めても影響のないエリアなので、相手の当たり方は容赦ない。それをくぐり抜けられる資質がより重要になっているわけだ。

 FWもハイプレスの逆をついてスペースへ走ってロングボールを拾う資質がより求められている。大きくて強いだけでなく、速いこと。さらにハイプレスを成立させるにはFWの守備力はカギになるが、田川はこれらの要件を完全に満たしている。

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