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日本代表 5年前

U-20日本代表はなぜ敗れたのか。日韓戦で突き付けられた現実。韓国に上回られたある部分とは【U-20W杯】

text by 本田千尋 photo by Getty Images

立て続けのチャンスもモノにできず

U-20日本代表
U-20日本代表は最後まで訪れたチャンスをモノにできず【写真:Getty Images】

 もっとも、韓国の布陣変更に対して、山田は「とまどいはなかった」という。

「とまどいはなかったですけど、向こうにターゲットが1人いる中で、そこに蹴られて、そのセカンドボールが拾えなくて毎回押し込まれるような展開が、相手のなんでもないようなビルドアップでもないロングボールで毎回ラインを下げられてしまっていたので、その点はちょっと反省点かなあと思います」

 193cmのオ・セフンを目掛けたロングボールと、そのセカンドボールを回収できなかったことを後半のポイントに挙げたのは、影山監督と同様である。

 こうして韓国代表の9番、10番、11番が個の力を強め、日本代表は敵の攻勢に晒されていく。しかし「オープンな試合になった」ことで、前半に比べれば、日本にもチャンスが生まれるようになった。GK若原智哉もグループリーグに続いて安定したパフォーマンスを見せたことで、韓国に「ちょっとずつペースが移っていって」も、主導権を完全には渡さなかった。

 影山監督は振り返る。

「失点をせずにじっくりと耐えながら、今度は相手のプレッシングをどうかわしていくかの部分で、さまざまな動きや努力をした結果、いくつかのチャンスを作り出せたので、そういった意味では、相手の出方を見ながら、自分たちを勝利に近づけていくという作業は、選手たちは非常に良くやってくれたと思います」

 70分を過ぎると、日本代表は立て続けに決定機を作り出していく。

 71分。藤本寛也が蹴ったCK。ファーで受けた宮代が、ゴール前で待つFW中村敬斗へボールを送る。途中出場のアタッカーは、ヘディングで韓国のゴールを陥れようとするが、敵のGKに左手一本で防がれてしまう。

 77分。再びCKからCB小林友希がヘディング。ゴールの右に外れる。

 78分。右サイドを抜け出した中村がペナルティエリアに入って、1人かわして左足でシュート。DFにブロックされて跳ね返ったボールを、宮代が拾ってそのまま右足を振り抜く。しかし、ボールは左のポストを直撃。ゴールを割ることはできなかった。

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