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チェルシーの昨季はどんなシーズンだったのか? ランパード監督就任が“運命”である理由【18/19シーズン総括(9)】

シリーズ:18/19シーズン総括 text by プレミアパブ編集部 photo by Getty Images

好不調の波の激しいシーズンに

 特に8節リバプール戦は、最終的には引き分けたが素晴らしい内容だった。相手の激しいプレスをパスワークで回避し、ボールを奪われても素早く切り替えて高い位置で取り返す。あのリバプールを相手に試合を支配することに成功する。

 25分にエデン・アザールのゴールで先制すると、その後もチェルシーペースで試合は進む。後半にはリバプールが盛り返す時間もあったが失点にはいたらない。そのまま試合が終わると思われた89分、ダニエル・スターリッジのスーパーなミドルシュートによって失点してしまう。

 イングランド人ストライカーの、キャリア最高レベルのゴールさえなければ、チェルシーが勝利していたはずだった。いずれにしても上位陣を相手にしても戦えるという手ごたえを掴んだのだ。

 好調だったクラブに暗雲が立ち込め始めたのは、12節のエバートン戦あたりからだ。チームの心臓ジョルジーニョがギルフィ・シグルズソンとワントップのリシャルリソンに露骨にマークされると、チームの攻撃が息詰まるようになる。結局、攻めきれないままマージーサイドのクラブとの対戦はスコアレスドローで終了する。

 思い返せば2-2で引き分けた9節のマンチェスター・ユナイテッド戦でも、ジョルジーニョのマークがきつかったことで停滞する時間があった。秋口には既に「ジョルジーニョを徹底マークすべし」というチェルシー攻略法が明らかになったのだ。

 エバートンの翌週のトッテナム戦でもジョルジーニョはデレ・アリとクリスティアン・エリクセンのマークに苦しみ仕事をさせてもらえず。試合自体もイタリア代表MFの守備強度の低さを突かれて3-1で完敗した。

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