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ドルトムント、香川真司も舌を巻いた“ロイス・システム”。強力故の弱点も…限界露呈した後半戦【18/19シーズン総括(12)】

シリーズ:18/19シーズン総括 text by 本田千尋 photo by Getty Images

驚異的だったサンチョの成長

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前半戦だけで7ゴール11アシストを記録したジェイドン・サンチョ【写真:Getty Images】

 序盤こそ出場機会の少なかったサンチョだが、限られた時間の中で結果を残すと、9月末のレバークーゼン戦を境にレギュラーに躍り出る。10月にはイングランド代表に初招集。ネーションズリーグの対クロアチア代表戦でデビューを飾った。

 18歳の俊英はロイスに負けず劣らずの数字を残す。前半戦だけで7ゴール11アシスト。12月のフォルトゥナ・デュッセルドルフ戦の後で、同じピッチに立った宇佐美貴史は「結構衝撃的なレベル」と驚嘆した。

 FCバルセロナから新加入のパコ・アルカセルは、ジョーカーとしてゴールを量産。前半戦は途中出場した9試合だけで11ゴールを記録。当初は1年でのレンタルだったが、11月にドルトムントが買い取りオプションを行使。23年6月までの契約で完全移籍を果たした。10月には2年半ぶりにスペイン代表に招集されている。

 そしてサンチョとアルカセルに留まらない。U-21デンマーク代表MFヤコブ・ブルーン・ラーセンも台頭。ボランチでコンビを組んだ新加入同士のトーマス・ディレイニーとアクセル・ヴィツエルは、豊富な運動量でチームの屋台骨となった。

 守備陣ではアブドゥ・ディアロ、マヌエル・アカンジ、ダン=アクセル・ザガドゥらが堅守を築き上げ、レアル・マドリッドからレンタル移籍のSBアシュラフ・ハキミは、鋭いオーバーラップでドルトムントのソリッドな攻撃を演出した。

 主将のロイスを筆頭に、新たなスター選手たちが躍動したドルトムントは、ハードワークを主体にハイ・テンポなサッカーを実現。前々監督のピーター・ボシュ、前監督のペーター・シュテーガーが率いた頃に比べれば、より縦に早く強く展開するようになった。

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