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バルサからロシア移籍のマルコム、加入3日で退団の噂。ファンから人種差別?

text by 編集部 photo by Getty Images

マルコム
ゼニトのマルコム【写真:Getty Images】

 バルセロナからロシアのゼニト・サンクトペテルブルクへ移籍したブラジル人FWマルコムだが、早くも退団の噂が浮上している。スペイン紙『アス』、英紙『インディペンデント』などがロシアでの報道を元に伝えた。

 マルコムは今月2日にバルサからゼニトへの完全移籍が発表された。ボーナス込みで移籍金最大4500万ユーロ(約53億6000万円)と報じられるウインガーは、現地時間4日に行われたクラスノダール戦に交代出場してデビューを飾った。

 だがこの試合でサポーターにより観客席に掲げられた横断幕が物議を醸している。クラブの首脳陣に向けて「伝統を守ってくれてありがとう」と横断幕には記されていたが、実際には“伝統”が守られないことへの皮肉を込めた抗議だったとみられる。サポーターの主張する“伝統”とは、ゼニトが黒人選手をチームに加えないということだ。

 その後サポーターグループから出された声明では、黒人選手の獲得に反対するのは「人種差別ではない」と主張されている。「欧州で最も北に位置する主要都市のクラブとして、我々は心理的にアフリカとの繋がりを感じたことはない」と反対の理由を説明している。

 ゼニトも声明を出し、サポーターの掲げた横断幕は人種差別的な内容ではなかったという見解を示した。横断幕の内容は「誤解され、誤解に基づいて謝った結論が導き出された」とされている。

 それでもゼニトは、サポーターの不満を鎮めるため、1月の移籍市場でマルコムを放出することを早くも考え始めているとの見方も伝えられている。ブラジル人FWを取り巻く状況は加入からわずか数日で非常に厳しいものとなっているようだ。

【了】

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