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パラグアイ代表とはどんなチーム? 武器はあの王国をも苦しめた堅守、日本代表はどう挑むべきか

日本代表は5日、キリンチャレンジカップ2019でパラグアイ代表と対戦する。相手はコパ・アメリカ2019(南米選手権)でベスト8入りを決めた実力国であり、持ち前の堅守はあのブラジル代表をも苦しませたほどだ。森保ジャパンにとってはかなり難しいゲームとなることが予想される。果たして日本代表は南米のチームにどう挑むべきなのか。(取材・文:河治良幸)

text by 河治良幸 photo by Getty Images

コパ・アメリカ8強の実力国

パラグアイ代表
日本代表と対戦するパラグアイ代表は堅守が持ち味のチームだ【写真:Getty Images】

 森保一監督が率いる日本代表はカタールワールドカップ・アジア二次予選のミャンマー戦を前に、鹿嶋で南米のパラグアイと対戦する。

 昨年8月に“森保ジャパン”がスタートしてからAFCアジアカップ2019とコパ・アメリカ2019(南米選手権)をのぞく9試合は国内の親善試合だったが、今回のパラグアイはディフェンスに限ればこれまででナンバーワンのチームであり、ホームの親善試合としては特に攻撃面で難しい試合を強いられるはず。ミャンマーとは体格、基本技術など大きく異なるものの、ボールを持つ側に立つ試合に向き合うという共通点はある。

 コパ・アメリカから中盤、前線での入れ替わりが多いメンバー構成となっているが、ブラジルの名門ボタフォゴで正GKを張る守護神ロベルト・フェルナンデス、4バックの主力であるイドリス・ピリス(リベルタ)、ファビアン・バルブエナ(ウェストハム)、グスタボ・ゴメス(パルメイラス)、フニオール・アロンソ(ボカ)はメンバーに入っており、コンディションに問題なければ、そのままスタメンで起用されることが予想される。

 現在30歳のピリスは今でこそ国内リーグの名門リベルタに在籍しているが、かつてセリエAのローマとウディネーゼでスタメンを張った選手であり、ブラジル、メキシコ、アルゼンチンでもプレーした百戦錬磨の右サイドバックだ。173cmと大きくはないが、しつこいデュエルと抜け目ない攻撃参加で、スコアレスドローのPK戦まで持ち込んだコパ・アメリカのブラジル戦も、数少ないチャンスの起点になっていた。

 左サイドバックのアロンソは184cmの長身で、センターバックもこなせるタイプ。フランスのリールからボカに期限付きで移籍しており、スペインのセルタでプレー経験もある頑強なファイターだ。左利きで良質なフィードも備えるが、何よりまず空陸のコンタクトプレーにめっぽう強く、彼がこのポジションにいることで、右のピリスを高い位置に上げる一時的な3バックや左サイドハーフを下げての5バックを形成することも可能になっている。

日本はどう攻略すべきか?

 ディフェンスラインの中央にはプレミアリーグのウェストハムでプレーするバルブエナと昨年までセリエAのミランに所属していたゴメスが構える。190cmのバルブエナと186cmのゴメスはまさしく中央の双璧であり、シンプルな仕掛けで強引にこじ開けることはほぼ不可能だ。またミドルシュートに対しても、しっかりと体を入れてブロックに入り、間を抜けてもGKフェルナンデスの守備範囲となる。

 森保監督は4バックでスタートすることを明言しており、普通にイメージすればピリスには中島翔哉、アロンソには堂安律か伊東純也、そして屈強な二枚のセンターバックには1トップの大迫勇也が挑む構図となり、縦の関係から南野拓実が突破を狙っていくシーンも多くなるだろう。

 注目の久保建英がどの時間帯にどこで起用されるかは状況次第だが、基本的にボールを持つ側になる時間帯が多くなる中で、いいタイミングで縦にパスを入れて、大迫と2列目の3枚がコンビネーションを繰り出すことで、一瞬でもズレを引き起こしたい。

 もちろんパラグアイは前線から中盤のディフェンスもタイトで、いきなり4バックとの勝負に持ち込ませてくれるわけではないが、大迫を頼れるターゲットマンとして、左右のサイドバックが攻撃に幅を出しながら、バリエーションを生かしてチャンスを生み出して行きたい。

 ホームの親善試合でもパラグアイからゴールをこじ開けることができれば大きな自信になるし、二次予選への弾みにもなる。得点できずに終われば終わったで、また違ったアジアの戦いに、いい意味で切り替えることもできるが、まずパラグアイの壁を突き崩してゴールを奪い、勝利することに集中して行って欲しい。

(取材・文:河治良幸)

【了】

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