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安西幸輝、ポルトガル移籍後初ゴールは「2タッチ目で入る感覚あった」。中島翔哉も祝福

text by 編集部 photo by Getty Images

安西幸輝
ポルティモネンセ移籍後初ゴールを決めた日本代表DF安西幸輝【写真:舩木渉】

 ポルトガル1部のポルティモネンセに所属する日本代表DF安西幸輝が、5試合目の出場で加入後初ゴールを挙げた。

 現地15日に行われた第5節のポルト戦に右サイドバックで先発出場した安西は1-2で迎えた77分にスタジアムを震撼させた。右サイドで高いポジションを取り、GKリカルド・フェレイラからのロングボールを胸でコントロールすると、内側に持ち出してドリブルで切り込む。

 そしてペナルティエリア手前で左足を振り抜き、外から巻くカーブをかけた鋭いミドルシュートでアルゼンチン代表GKアグスティン・マルチェシンの守るゴールを揺らした。しかし、ポルティモネンセは後半アディショナルタイムの98分に痛恨の勝ち越しゴールを許し、惜しくも2-3で敗れてしまった。

 ゴールの場面を振り返った安西は「2タッチ目で大きくポンと出した時に、『あ、これ入るな』という感覚がありました」と語った。確かに胸でコントロールしてボールを我が物にし、1タッチ目、2タッチ目と刻んだ瞬間、それまで守備で曖昧な部分をほとんど見せていなかったポルトのゴール前に大きくシュートコースが開けた。

「あの瞬間だけなんかすごく空いて、本当に上手くボールを運べて、シュートはもうすごい良かったですね」

 ラジオ実況も「何て素晴らしいゴールだ!」と叫び、記者席もどよめいたスーパーゴールには途中出場で同じピッチに立っていたポルトのMF中島翔哉もピッチ上で「ナイス」と声をかけたという。

 試合後にも中島は「いいシュートだったね」と、東京ヴェルディユース時代から知る後輩の安西に称賛の言葉を贈ったようだ。

 ただ、やはり悔やまれるのはラストプレーでの失点だ。前半シュート0本に終わっていたポルティモネンセは、後半に巻き返して安西のゴールで2-2の同点に。ポルティモネンセはあと一歩でリーグ屈指の強豪ポルトから勝ち点1をもぎ取れるところだったが、そのチャンスは手のひらから滑り落ちていった。

「本当にあのワンプレーで、結局試合には負けってなっちゃうので、ゴールを取った嬉しさよりは、やっぱり負けた悔しさの方がすごく大きかったし、あれに耐えれば『1』と『0』の違いってすごく大きいと思う。(内容に)納得はしていないですけど、勝ち点1を拾えるというのはすごく大きかったと思うので、非常に残念です」

 安西は試合終了とともにピッチに座り込んだ。あの瞬間に味わった悔しさを、もう2度と味わうことのないように。初ゴールで手にした自信と周囲からの信頼も糧にして、リーグ最高のサイドバックを目指し邁進する。

(取材・文:舩木渉【ポルトガル】)

【了】

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