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フェイエノールトDF、家族への脅迫乗り越え会心のドリブル弾「1週間歩き回れなかった」

text by 編集部 photo by Getty Images

リック・カルスドルプ
ELポルト戦でゴールを挙げたフェイエノールトのDFリック・カルスドルプ【写真:Getty Images】

 オランダの強豪フェイエノールトは3日、ヨーロッパリーグ(EL)のグループリーグ第2節でポルトに2-0の勝利を収めた。

 この試合で80分に勝利を決定づけるゴールを決めたフェイエノールトのDFリック・カルスドルプは、特別な思いを抱いていた。

 先月19日に行われたELのグループリーグ第1節で、フェイエノールトはスコットランドのレンジャーズに0-1で敗れていた。その責任を問われ、カルスドルプは一部のファンから脅迫を受けていたという。

 英紙『サン』などによれば、同選手はレンジャーズ戦後の出来事について「僕たちは負けたから、ファンたちが幸せでないのは理解できる。でも、20人か30人の男たちが僕のことを指差して、脅迫し、中指を立ててこちらに向けてきた」と明かしていた。

 これだけでは終わらなかった。

「僕にプライベートメッセージも送られてきた。携帯電話の後ろに隠れてそういうことをする奴らは、どれほど悲しいだろう。彼らが自分にメッセージがあるか、何か言いたいなら、スタジアムに来て直接、面と向かって伝えてくれ。そして僕の家族を巻き込んではダメだ。僕に何かを望むなら言ってくれて構わないが、家族は別だ」

 なんと脅迫の矛先はカルスドルプ本人だけでなく、彼の家族にも向いていたというのだ。そんな中、ローマから期限付き移籍でフェイエノールトに所属するオランダ代表DFは強い気持ちで戦い続けた。

 ポルト戦の80分、相手の安易な縦パスをインターセプトしたカルスドルプは、そのままドリブルでゴールに向けて突き進む。ポルトの選手たちは為す術なく置き去りにされ、ゴールネットを揺らされた。

 試合後、蘭『FOXスポーツ』のインタビューに応じたカルスドルプは、レンジャーズ戦後の一件から現在までの日々を振り返り、あふれる思いを吐き出した。

「あれから3週間も経っていない。本当にいろいろと難しいプロセスがあった。僕は1週間くらい街を歩きまわれなかったんだ。僕のストーリーについては誰もが知っている。本当にフラストレーションが溜まる出来事だった。

もちろん20人か30人の男たちとの間にいろいろあった。でも、実際には僕には5万人の男たちがついてきてくれていることを知っている。そして、僕は彼らと(勝利を)祝わなければいけない。ハートは僕の妻のためにあった。僕は彼女のことをとても尊敬していて、今回の一件は彼女にとって困難なことだった。僕は誇りに思うし、チームのことも誇りに思う」

 強靭な精神力で家族を支え、脅迫の恐怖を乗り越えたカルスドルプは汚名返上のゴールでチームとサポーターに極上の勝利をプレゼントした。この1勝で彼と彼の家族の日常に平穏が戻るはずだ。

【了】

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