フットボールチャンネル

中島翔哉所属のポルト、ELホーム戦で痛恨ドロー。「後半」の課題に改善の気配なし

text by 編集部 photo by Getty Images

中島翔哉
ポルトに所属する日本代表MF中島翔哉【写真:Getty Images】

 ヨーロッパリーグ(EL)のグループリーグ第3節が現地24日に行われ、日本代表MF中島翔哉が所属するポルトはスコットランドの強豪レンジャーズと1-1で引き分けた。

 ホームのポルトにとっては悔やまれる結果だ。前節アウェイのフェイエノールト戦を0-2で落とし、決勝トーナメント進出のために勝ち点3を確保したかったホームゲームで勝ちきることができなかった。

「後半は私の予想していた通りにはならなかった」

 ポルトのセルジオ・コンセイソン監督は試合後の記者会見でレンジャーズに主導権を渡してしまった後半の低調ぶりを嘆いた。しかし、これは今季のポルトがずっと解決できていない大きな課題の1つ。どうしても後半に入るとチーム全体のパフォーマンスが落ちてしまう。

 36分にFWルイス・ディアスのスーパーミドル弾で先制したポルトだったが、前半終了間際の44分にレンジャーズに追いつかれる。先制ゴールを奪った22歳と同じコロンビア代表のFWアルフレド・モレーロスが左からのアーリークロスに合わせてポルトの勢いを止める同点ゴールを記録した。

 そして後半、ポルトの悪癖が顔を覗かせる。どうしてもチーム全体の活動量が落ち、プレー強度が下がって相手に主導権を渡してしまう展開は、今季の試合で何度も見てきた。同じことがレンジャーズ戦でも起きてしまった。後半の流れでは勝ち越されてもおかしくなかっただろう。

 コンセイソン監督は「ボールへのプレッシャーが最高ではなかった」と守備面の拙さを悔やむ。そして攻撃においても「中央に望んだようなスペースを見つけることができなかった」と述べた通り、レンジャーズの組織的な守備に対して有効な打開策を示すことができなかった。

 ホームで勝ち点3を取り逃がした痛手は大きい。試合後のレンジャーズの選手やサポーターは、まるで勝利したかのような喜びようだった。「いくつかのチャンスはあったが、勝利でピッチから下がるためにはもう少しやるべきだった」とポルトの指揮官は不満をあらわにした。

 週末の27日にはリーグ戦が再開し、ファマリカンとの首位攻防戦が控えている。コンセイソン監督は「ポルトはホームかアウェイかに関わらず、常に勝利を目標に掲げている」と念を押したが、変わり映えしないメンバー構成で目に見える課題の解決は先送りされたままだ。

 これまでと同じ課題を露呈した現実を受け止め、何かしらの改善策を示さなければならない時が迫っているのは間違いない。

(取材・文:舩木渉【ポルトガル】)

【了】

KANZENからのお知らせ

scroll top