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中島翔哉、10試合ぶり先発でゴールの起点に。控え組中心のポルトはカップ戦で3発快勝

text by 編集部 photo by Getty Images

中島翔哉
ポルトに所属する日本代表MF中島翔哉【写真:Getty Images】

【カーサ・ピア 0-3 ポルト タッサ・ダ・リーガD組第2節】

 ポルトガルのリーグカップにあたるタッサ・ダ・リーガのグループリーグ第2節が現地5日に行われ、日本代表MF中島翔哉が所属するポルトは2部のカーサ・ピアと対戦した。

 週に2試合の過密日程が続くポルトは、格下相手ということもあり先発メンバーを大幅に入れ替えた。直近のリーグ戦から続けて先発起用されたのはDFウィルソン・マナファのみ。他は普段出場機会が少ない選手たちにチャンスが与えられ、中島も4-4-2の左サイドで公式戦10試合ぶりのスタメン出場を果たした。

 前半は手堅い展開に。2部とはいえカーサ・ビアも自陣に引きこもることなく高い位置からプレスをかけたり、丁寧なビルドアップを試みたり、勇気あるプレー選択が光った。そんな中で最初のビッグチャンスはポルトが掴む。

 31分、ポルトは中盤でプレスをかけてボールを奪うと、素早くカウンターに移る。そして縦パスを受けたFWルイス・ディアスがスルーパスを送り、左に飛び出したFWチキーニョ・ソアレスがフリーで決定機を迎えた。しかし、コースを狙ったシュートは無情にもゴールの右に外れる。

 40分には左サイドに抜け出した中島の低いクロスに、2列目からゴール前に進出したMFブルーノ・コスタが合わせてシュート。これも決定的だったが、相手GKの好セーブに阻まれた。前半は結局0-0のまま終了する。

 後半、ポルトは最初のチャンスを先制点に結びつけた。左サイドでボールを持って顔を上げたMFセルジオ・オリベイラがふわりとしたクロスをペナルティエリア内へ送ると、逆サイドからディフェンスの間を縫って飛び出してきたDFレンゾ・サラビアがヘディングシュート。今夏の加入以後、ほとんど出番がなく燻っていたアルゼンチン代表DFが意外な形で結果を残した。

 さらに68分、今度は中島を起点に追加点が生まれる。DFジオゴ・レイチのヘディングクリアを最前線で受けた中島は、胸でボールをコントロールして巧みなキープから展開する。そのパスを受けたブルーノ・コスタが並走していたルイス・ディアスに預け、コロンビア代表FWがゴール右隅に狙いすましたシュートを流し込んだ。

 こうなるとポルトは止まらない。72分、先制点を決めたサラビアがチップキックでのラストパスをペナルティエリア内に送ると、相手DFが処理をミスして逸らしてしまいボールはゴール前のソアレスのもとへ。冷静なブラジル人ストライカーは相手GKらが先に動くのを待って、目の前のゴールにボールを蹴り入れて3点目とした。

 ポルトは75分にサラビアとの交代で17歳のDFトマシュ・エステベスを送り出し、トップチームの公式戦デビューを飾らせるなど、試したい戦力を惜しみなく活用して快勝。

 システム変更や選手交代にともない左サイドから右サイド、再び左サイドと何度もポジションを移った中島は9月25日のリーグカップ、サンタ・クララ戦以来となる約2ヶ月ぶりのフル出場を果たした。

 ここまでは出場時間が少なく苦しむ背番号10だが、カーサ・ビア戦ではゴールの起点になり、後半終了間際の89分には得意のペナルティエリア左角から惜しいミドルシュートを放つなど攻守に存在感を発揮。今後への希望を抱かせるパフォーマンスを披露して久しぶりの90分間を終えている。

【得点者】
50分 0-1 サラビア(ポルト)
68分 0-2 ルイス・ディアス(ポルト)
72分 0-3 ソアレス(ポルト)

【了】

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