トッテナム、モウリーニョ体制で目に見えた変化とは? 公式戦5試合16得点の攻撃陣、その強さの秘密

プレミアリーグ第16節、トッテナム対バーンリーの一戦が現地時間7日に行われて、ホームチームが5-0と勝利をした。トッテナムは前節のユナイテッド戦で新体制後初黒星となったが、それを感じさせない圧巻のパフォーマンスを見せた。絶好調のチームだが、その強さの秘密はどこにあるのだろうか。(文:松井悠眞)

2019年12月08日(Sun)10時01分配信

text by 松井悠眞 photo Getty Images
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完璧だった試合

ジョゼ・モウリーニョ
ジョゼ・モウリーニョ監督【写真:Getty Images】

 ジョゼ・モウリーニョ体制後初黒星となった前節のマンチェスター・ユナイテッド戦は内容も良くなかった。前からプレスに来る相手を新生トッテナムは苦手としており、ユナイテッド戦以外の試合でも、ハイプレスをかけられると脆さが出てしまうシーンが多かった。

 しかしこの試合においては完璧だったと言って良いだろう。新体制後初のクリーンシートは5-0と今季リーグ戦で最多得点の試合となった。

 トッテナムはユナイテッド戦から一人だけを入れ替えた。中盤の底のMFハリー・ウィンクスに変えてMFエリック・ダイアーを先発起用した。

 一方のバーンリーは前節のリーグ戦でマンチェスター・シティをホームで迎えたが、結果は1-4と厳しいものとなり、リーグ戦3連敗の中この一戦を迎えた。そしてこの試合はシティ戦から3人を変更してシステムも4-4-1-1からフラットの4-4-2に変えて挑んだ。

 さて、試合は前半の開始早々から動くことになる。4分にFWハリー・ケインがバイタルエリアから目の覚めるようなミドルシュートを豪快に叩き込んだ。その4分後に追加点を奪う。ボックス内混戦した状況の中でMFルーカスがヘディングで流し込んだ。

 バーンリーにとっては、ユナイテッド戦で散々だったトッテナムは意気消沈しているはずという考えから、ハイプレスをかけるというプランもあっただろう。しかしあまりにも早い時間帯から立て続けに失点をしてしまったことが、試合の全てを見直さなければならない原因となってしまった。

 そして圧巻だったのは31分のFWソン・フンミンのゴール。自陣ボックス前から緩急を付けたドリブルで駆け上がると、そのまま一人で相手ボックス内まで侵入をしてシュートを放ちゴールを奪った。一体何人のプレスを剥がしたのだろうか。完璧なゴールだ。

 そしてデータサイト『Who Scored』を見ると前半のポゼッションはトッテナムが56%:44%、シュート本数は8本:5本、そのうち枠内シュートが4本:1本とホームチームが試合の主導権を握った。

2つのカウンター

 後半のトッテナムは前半とは違う戦いをする。相手がポゼッションを高めたため、カウンター狙いのサッカーとなる。そしてその采配が見事的中をする。

 まずは53分にショートカウンターからケインがボックス内からシュートを打ちゴールネットを揺らして、73分に今度はロングカウンターからMFムサ・シソコがケインとのワンツーで抜け出して得点を奪った。

 同データサイトによると後半のポゼッションはトッテナムが43%:58%だったが、シュート本数は5本:2本、そのうち枠内シュートが3本:0本とトッテナムが上回った。前半とはボールを持つチームが逆転したが、それでも内容で勝ったのはホームチームの方だったのだ。

 無理に前に出る必要がないトッテナムは無失点という思いが強かったように感じた。バーンリーはパスの出しどころがなく、中盤や後方でボールを回す時間が多かったためポゼッションだけが高まった。これもトッテナムのディフェンスがしっかりと機能していたという証でもある。

 そしてこの試合は前後半の立ち上がりも完璧だった。ユナイテッド戦は前半と後半の開始早々に失点してしまったが、この日は危ないシーンを作ることなく、重要な立ち上がりにゴールを奪っている。

強さの秘密とは

 モウリーニョ監督が就任して以降一番変わったのは攻撃陣だろう。この試合を含めて公式戦5試合を戦い16ゴールを奪っている。リーグ屈指の破壊力を誇るチームへと姿を変えたといって良い。

 ゴールラッシュが続く理由は前線に枚数を増やすようになったことが挙げられる。現在のトッテナムはオフェンス時3-2-4-1のシステムになる。前線に枚数を置くことにより厚みが増した。実際、次から次へと相手選手の裏を取るような動きをする選手が多くなり、選手のポジションは流動的になる場面も増えている。

 また、マウリシオ・ポッチェティーノ監督時代は後方からのロングボールはそこまで見られなかったが、新指揮官は後方から一気にフィードをする戦術も採用している。もちろんただ単にロングボールを放り込むのではなく、後方からしっかりとパスを繋ぐ場面もある。2つの型を使い分けることにより武器が増えたのだ。

 そしてこの試合のように前半はポゼッションを高めてゴールを奪い、後半はカウンターからゴールを奪うという2つの違った姿も見せてくれた。これも今のトッテナムの強さの秘訣だろう。

 無失点というのは明るい材料だが、この試合はバーンリーが前線からプレスに来なかったため、無失点で試合を終えることが出来たと言ってもいい。ハイプレスを苦手としているトッテナムのディフェンス陣が、本当に改善されたのかはこの試合ではわからない。

 新体制後のトッテナムはこの試合も含めて公式戦5試合を戦い4勝1敗と強さを取り戻した。敗戦後の重要な一戦で完勝をしたのは非常にプラスになったはず。大切なのはこのような試合を継続することだ。このチームの行く末はどうなるだろうか。注目だ。

(文:松井悠眞)

【了】

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