フットボールチャンネル

代表 4年前

韓国代表、背番号10の系譜。日韓大会4強進出の英雄、流浪の嫌われ者、そして“コリアン・メッシ”へ

シリーズ:編集部フォーカス text by 編集部 photo by Getty Images

ロシアワールドカップ(2018)

イ・スンウ
【写真:Getty Images】



背番号10:イ・スンウ(エラス・ヴェローナ)
生年月日:1998年1月6日(当時20歳)
個人成績:2試合出場/0得点0アシスト

監督:シン・テヨン
戦績:グループリーグ敗退

 バルセロナの下部組織育ちということで若くして大きな注目を浴びた“コリアン・メッシ”は、ロシアワールドカップの1年前にイタリアへ新天地を求めていた。2017年に母国開催のU-20ワールドカップで鮮烈な印象を残したのち、バルセロナから放出されてセリエAのエラス・ヴェローナに加入する。

 イタリアでの最初のシーズン、出場機会は散発的で停滞感が漂っていた。そんな折、ワールドカップ直前の2018年5月に韓国代表から初招集を受け、デビュー戦となったホンジュラス代表戦でいきなりアシストを記録する。そしてイ・グノやクォン・チャンフンが直前に負傷したこともあって、本大会のメンバーに滑り込んだ。

 20歳で挑む初めてのワールドカップで背番号10を託された。とはいえ、チーム最年少の若手選手に過ぎなかったイ・スンウはグループリーグ2試合の途中出場にとどまり、ほぼノーインパクトに終わった。チームが前回王者ドイツ代表を打ち破った最終戦は出番なく、歴史的な勝利をベンチで見届けることとなった。

 ロシアワールドカップ後はセリエBに降格したエラス・ヴェローナでやや出番を増やしたものの、韓国代表では招集外になることもしばしば。2019年1月のアジアカップでは現FC東京のナ・サンホが負傷したことを受けて追加招集を受けるも、2試合の途中出場のみだった。

 2019年夏にはベルギーへ新天地を求め、日本人選手も多く在籍するシント=トロイデンVVと契約したが、ここでも出場機会は少なく苦しんでいる。代表からも遠ざかる逸材は、才能を持て余して埋もれていってしまうのだろうか…。

【了】

1 2 3 4 5

KANZENからのお知らせ

scroll top