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イングランド代表、EUROメンバーを妄想! もし今年開催されていたら…最強SBを生かす起用法とは?

シリーズ:編集部フォーカス text by 内藤秀明 photo by Getty Images

3バック

イングランド代表
【写真:Getty Images】

 さて最終ラインに関しては、3バックか4バックか、悩ましいところではあるが、個人的は3バックを採用して欲しいところだ。

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 理由は二つある。一つはトップレベルのCBが少ない点だ。CB最高額の移籍金で今季マンチェスター・ユナイテッドに加入したハリー・マグワイアに関しては、巨体を生かしたフィジカルバトルの強さ、冷静なカバーリング能力、意外と器用な足元の技術など、自身の能力の高さを証明したが、その相方に関しては全体的に小粒感が否めない。

 マグワイアの相方には唯一の弱点であるスピードの遅さを埋められる選手が望ましく、そういう意味ではリバプール所属のジョー・ゴメスはトップレベルのスピードで広い範囲をカバーできる最高の相方にも思えるが、そもそもボールウォッチャーになってしまい、裏を突かれるシーンが多い。逆にマグワイアがカバーしきれるのだろうか。

 あるいはシティのジョン・ストーンズもそれなりにスピードがある上に、ビルドアップ能力は非常に高いが、まだまだ守備面でのケアレスなミスが多い。バーンリーのジェームス・ターコウスキーは空中戦や球際の強さは魅力的だが、マグワイアと似通ったタイプである。4バックで考えるマグワイアの相方候補は、誰で検討しても帯に短したすきに長しなのだ。

 一方で4バックではなく3バックで考えると、4バックのCBと比べるとまだミスが許容される配置になる。単純にカバーリングできる枚数が一枚増えからだ。そういう意味ではややミスの目立つストーンズやゴメスらでも安心して送り出せる側面がある。

 二つ目の理由としては、3バックなら、シティ所属のカイル・ウォーカーや、ユナイテッドのルーク・ショーなど4バックにおけるCBのプレー経験はほぼないが、3バックの一角ならクラブチームで経験があるSBの選手たちもCBとして起用できる点だ。

 特にショーに関しては、数少ない3バックでプレー可能なレフティーだ。足元の技術が高く、冷静にパスワークに参加できる彼を左CBに配置することで、ビルドアップは相当スムーズになる。一方でショーは高い位置まで上がってクロスで攻撃に貢献できるタイプというわけでもないので、攻撃面だけ見れば、SBよりも3バックの一角のほうが天職のようにも思える。

 全体のバランスを考えるなら、左からショー、マグワイア、そしてストーンズかゴメスを配置する3バックが妥当だろうが、個人的には、ショー、マグワイア、ウォーカーの3バックも見てみたい。

 高いスプリント能力とSBで培った適切な攻め上がりの感覚を持つウォーカーを右CBに配置すれば、今季のシェフィールド・ユナイテッドが見せた3バックの一角がハーフスペースをインナーラップしていき、相手の守備陣に混乱させる戦術の模倣が可能になる。引いた相手を崩す助けになるはずだ。なにより後述する右SBや右ウイングバックの競争が激しいことを考えると、やはりウォーカーはCBカウントで考えたいところである。

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