コウチーニョがバルセロナ時代から直せない癖は…。バイエルンの19歳左SBデイビスと噛み合わず【欧州CL】

UEFAチャンピオンズリーグ(CL)ラウンド16・2ndレグ、バイエルン・ミュンヘン対チェルシーが現地時間8日に行われ、4-1で勝利したバイエルンが準々決勝進出を決めた。バイエルンは2戦合計スコアで7-1と圧倒したが、フィリッペ・コウチーニョは悪い癖が直らないままだった。(文:加藤健一)

2020年08月09日(Sun)11時08分配信

text by 加藤健一 photo Getty Images
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バイエルンはチェルシーを圧倒

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【写真:Getty Images】

 バイエルン・ミュンヘンの準々決勝進出は2月25日の1stレグ終了時点で決まったと言っていい。セルジュ・ニャブリの2ゴールと、その2得点をアシストしたロベルト・レバンドフスキのゴールで完勝している。

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 その後、世界を襲ったパンデミックで公式戦は中断。およそ5か月半後に行われた2ndレグで番狂わせが起こることはなかった。今大会8戦全勝で公式戦18連勝を記録するバイエルンの圧倒的な強さがこの試合でも出ていた。

 バイエルンのメンバーは基本的に変わらない。この大会に向けた準備期間で左足を負傷したバンジャマン・パバールが務めていた右サイドバックにはヨシュア・キミッヒが回り、6月に痛めた鼠径部の手術から復帰したチアゴが中盤に入った。左ウイングには負傷のキングスレイ・コマンに変わり、イバン・ペリシッチが入っている。

 バイエルンはキックオフからアグレッシブに襲い掛かった。1か月ぶりの公式戦ということもあり、序盤はオフェンスの連係がかみ合わなかったが、時間の経過ともに改善。敵陣からプレッシャーをかけてボールを奪い、試合をコントロールしている。

 バイエルンはレバンドフスキがPKを成功させて10分に先制。敵陣でボールを奪って追加点を挙げた。前半終了間際に1点を返されたが、途中出場のコランタン・トリッソと、レバンドフスキのゴールで試合終盤に4-1と突き放した。

バイエルンの武器になるデイビス

 左サイドはアルフォンソ・デイビスの独壇場だった。もともとはウイングを本職とする選手だが、チーム事情もあって今季は左サイドバックでの起用が続く。しかし、このポジションでプレーすることでデイビスの特徴は活かされている。

 チェルシーはいつもの3バックではなく、4バックを採用していた。いつもよりリース・ジェームズの位置が低くなるので、対面するデイビスの前には広いスペースがあった。

 バイエルンがボールを奪うと、デイビスはスプリントして左サイドを駆け上がった。トップスピードに乗ってしまえば、デイビスより速い選手はこのピッチにいない。ウイングよりも助走をつけられる分、左サイドバックはデイビスに合ったポジションになっていた。

 デイビスはこの試合で5本のクロスを上げ、2本を味方のシュートにつなげている。アシストを記録することはできなかったが、デイビスの左サイドは準々決勝以降もバイエルンの武器になるだろう。

 2-1とリードしたバイエルンは64分に2枚替えを行った。2点目を挙げたペリシッチと、直前に足を痛めていたジェローム・ボアテングを下げ、フィリッペ・コウチーニョと左膝の手術から約10か月ぶりの復帰となるにニクラス・ジューレを入れた。

 この交代以降、デイビスがチャンスに絡むシーンは減っている。リードしたバイエルンがスローダウンしたことも、デイビスに疲れが見えていたこともあるが、コウチーニョの投入もその理由の一つだった。

 先発したペリシッチはデイビスにスペースを作る動きに秀でていた。中に絞って大外のスペースを作り、カウンターでデイビスが攻め上がったときはディフェンスラインのスペースを埋めている。デイビスの自由はペリシッチが生み出していた。

コウチーニョの悪い癖

 コウチーニョには得意なプレーに固執する悪い癖がある。カットインからミドルシュートを狙いたかったが、デイビスは縦に突破してクロスを上げたい。結果的に両者のポジションは重なり、デイビスが攻め上がるスペースはコウチーニョに埋められてしまった。

 リバプール時代はコウチーニョが攻撃の中心だった。しかし、バルセロナにはリオネル・メッシがいるので、それに合わせた動きが求められる。コウチーニョはスペインでその適応に苦しんでいた。

 バイエルンにはメッシのような王様はいない。レバンドフスキもトーマス・ミュラーもハードワークが求められる。彼らはゴールやアシストを量産しているが、個人能力に依存しているわけではない。

 レバンドフスキが左に流れれば、ミュラーが最前線に顔を出し、ミュラーが右サイドに流れれば、先制点のシーンのようにニャブリが中央に走りこむ。加入1年目のペリシッチもデイビスを活かす動きを精力的にこなし、右サイドに流れたところから2点目のゴールを決めた。

 コウチーニョは得意な左サイドに留まり続け、周囲との連係は合っていなかった。流動的なコンビネーションが軸になるバイエルンの攻撃で、コウチーニョは蚊帳の外にいるようだった。オーバーラップするデイビスへのスルーパスやミドルシュートなどの惜しい場面はあったが、全体的に良かったとは言い難い内容だった。

 バイエルンの先発メンバーはCLベスト8の顔触れを見ても1、2を争うメンツが揃っている。ただ、7シーズンぶりのCL優勝を成し遂げるためには、途中交代で出てくる選手の活躍が必要になるタイミングが来るはずだ。バイエルンは準々決勝でコウチーニョを保有するバルセロナと対戦する。

(文:加藤健一)

【了】

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