バルセロナが厳しい。変わるためには? メッシは休むべきだが…それこそが最大の難題

ラ・リーガ第8節、アラベス対バルセロナが現地時間10月31日に行われ、1-1のドローに終わっている。バルセロナはこれでリーグ戦4試合未勝利。厳しい状況に陥っている。ロナルド・クーマン監督が解決しなければならない問題は、果たしてどこにあるのだろうか。(文:小澤祐作)

2020年11月01日(Sun)11時36分配信

text by 小澤祐作 photo Getty Images
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最悪の前半

バルセロナ
【写真:Getty Images】

「リーガでの我々の現状を打破するために、勝ち点3を必要としている」。

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 ラ・リーガ第8節アラベス戦の前日会見で、バルセロナを率いるロナルド・クーマン監督はそう話していたという。しかし、結果は1-1のドロー。バルセロナはこれでリーグ戦4試合未勝利となり、1試合少ないとはいえ、早くも宿敵レアル・マドリードに勝ち点「8」差をつけられることになった。

 チャンピオンズリーグ(CL)でのユベントス戦を2-0で制したバルセロナは、同試合から先発3名を変更していた。ペドリに代わりアンス・ファティ、ミラレム・ピャニッチに代わりセルヒオ・ブスケッツ、ロナルド・アラウホに代わりジェラール・ピケを起用。システムは4-2-3-1を継続した。

 戦前の予想通り、バルセロナは立ち上がりからアラベスを押し込んだ。すると13分に決定機。クレマン・ラングレのスルーパスに飛び出したファティがGKフェルナンド・パチェコと1対1に。しかし、これを大きく外してしまった。

 その後バルセロナは、アラベスの守備に大苦戦。ホームチームは4-1-4-1のブロックを形成し、全体をコンパクトに保つ。アンカーをトップ下のリオネル・メッシに張り付けるなど人をベースに守りつつ、サイドにボールが流れた際にはリスク覚悟で人数をかけてスペースを消し、バルセロナの自由を奪っていた。

 そしてボールを奪ってからはシンプルに縦へ展開。必然的に全体が前のめりになっているバルセロナはカバーしきれないスペースが多く、ロングカウンターから最終ラインを深い位置まで下げられる場面が目立っていた。

 そんな中、バルセロナは31分に失点。ピケとGKネトの連係ミスを突かれ、ルイス・リオハに無人のゴールへシュートを流し込まれた。これもまた、バルセロナが手を焼いていたロングカウンターがキッカケとなって生まれたものだ。

 崩し切れずミスから失点。連戦の疲労による影響は否めないが、全体としてギアが上がりきらない、最悪の前半だった。

退場者発生で一方的な展開に

 こうした状況を受け、クーマン監督はハーフタイム明けに3枚替えを敢行。ペドリ、ピャニッチ、フランシスコ・トリンコンを入れ、逆転を目指した。

 フレッシュな選手が入ったことにより、バルセロナの攻めは前半よりも動きがあり、攻守の切り替えも非常に素早くなった。メッシやファティも相手にとって危険になるペナルティーエリア付近で仕掛けられる回数が増えていた。

 そんな中、62分にアラベスFWホタがこの日2枚目のイエローカードを受け退場。ホームチームは残り約30分間を、10人で戦わなければならなくなった。

 そして、その直後にバルセロナが同点弾。アラベスの選手がつついたボールがアントワーヌ・グリーズマンの下へ転がり、最後は左足でボールを浮かせてGKパチェコとの1対1を制している。少しラッキーな形での得点だった。

 退場者が出たことで、ここから試合は一方的な展開となる。逆転を目指すバルセロナはフィールドプレーヤー全員が敵陣へ入り、反対にアラベスは全員が自陣に戻って守備。こうなると、戦術どうこうはあまり関係ない。とにかく時間内に点を取れるか、そして一方は守れるか、という単純明快な内容となった。

 軍配はアラベスにあがった。バルセロナは後半だけで支配率85%、シュート数19本を記録したが、奪ったのはグリーズマンの1点のみ。GKパチェコのビッグセーブなどに阻まれたことも事実だが、得点を奪うクオリティーが欠如していたと言わざるを得ない。

 クーマン監督も試合後に「チームの姿勢や集中力は問題ないが、ゴール前で決めきれないことは問題だ。ユベントス戦でも同じことが起こった。これだけチャンスを作って1得点というのは良くない」とコメント。ここで失った勝ち点2は決して軽いものではないはずだ。

メッシを休ませるという問題

リオネル・メッシ
【写真:Getty Images】

 先述した通り、バルセロナはリーグ戦4試合未勝利となっている。CLでは無傷であるとはいえ、チームとして何かを変えていかなければならないことは確かだ。

 このチームを語る上で良くも悪くもリオネル・メッシという男の名を出さぬわけにはいかない。言わずと知れたスーパースターであり、バルセロナのエースであり顔でもあるからだ。ただ、このメッシに関する問題をまずクラブとして解決しなければならない。

 メッシは今夏に退団が噂されたが、結局は残留した。会長への不満は消えていないにしても、ピッチ内ではチームのためにモチベーションを失わずプレーしている印象が強い。アラベス戦でも、何度か鋭いタッチで狭いエリアを打開したり際どいシュートを放つなど、持ち味を示していた。

 しかし、そんなメッシも33歳。サッカー界では十分な「ベテラン選手」である。そのレフティーが例年以上に日程が厳しい中、アルゼンチン代表でもバルセロナでもフル稼働を続けていれば、さすがに身体への負担は大きくなる。アラベス戦も決してトップパフォーマンスではなかった。

「メッシを休ませろ」という意見は少なくないだろう。ただ、これまで超人的なプレーを披露してきた背番号10に休息を与えながら試合に勝つというプランを、バルセロナは未だ見つけていない。そして結果が出ていない今は、それを試運転する状況でもない。そもそもクーマン監督政権では、やはり中心がメッシなのか、あるいは攻撃陣の“一員”として考えているのかも曖昧である。すべてが中途半端な状態だ。

 これほど影響力の大きい偉大な選手になると、休息一つを与えることも難しくなってくる。我々には計り知れないほど、難しい問題と言える。しかし、そこに向き合わなければならないのがバルセロナ指揮官の宿命。クーマン監督が乗り越えなければならない壁である。

 エルネスト・バルベルデ監督が退任し、キケ・セティエン→クーマンとバルセロナ指揮官のバトンが渡った。ただ、指示する者が変われども、メッシと向き合わなければならないことに変わりはない。これからより結果を出していかなければならないかつ背番号10の扱いをどうするか。クーマン監督の背負ったタスクは厳しいが、このままではクラブは変わらない。

(文:小澤祐作)

【了】

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