CLの悪夢を忘れる? マルセイユ怒涛の5連勝。酒井宏樹よりも輝いたビッグクラブ注目の逸材とは【分析コラム】

リーグ・アン第13節、ニーム対マルセイユが現地時間4日に行われ、0-2でアウェイチームが勝利している。日本代表DFの酒井宏樹はこの日もフル出場。立ち上がりは少し怪しかったが、その後はさすがの安定感を発揮した。しかし、そんな酒井よりも輝いた男がいた。(文:小澤祐作)

2020年12月05日(Sat)11時36分配信

text by 小澤祐作 photo Getty Images
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CL連敗ストップの勢いをそのままに

マルセイユ
【写真:Getty Images】

 7年ぶりに出場しているチャンピオンズリーグ(CL)では、同大会ワーストとなる13連敗を記録するなど大苦戦中だった。しかし、現地1日に行われたグループリーグ第5節、オリンピアコス戦でようやく2-1と勝利。アンドレ・ビラス・ボアス監督も「チームにとって本当に喜ばしいこと」と話している。

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 そんなマルセイユは、オリンピアコス戦勝利の良い雰囲気を保ちながら、リーグ・アン第13節、アウェイでのニーム戦に挑んでいる。首位パリ・サンジェルマン(PSG)との差を縮めるためにも、勝ち点3が欲しい一戦となった。

 CLのオリンピアコス戦から中2日でのゲームとなったが、スターティングメンバーの変更は一人のみ。フロリアン・トバンがベンチスタートとなり、モルガン・サンソンが先発入りを果たした。システムは4-3-1-2を採用している。

 マルセイユは立ち上がりからボールを支配したが、なかなかニームからゴールを奪うことができない。12分には左サイドからペナルティーエリア内に侵入し、DFをかわしたディミトリ・パイェが強烈なシュートを放ったが、GKバティスト・レイネのファインセーブに阻まれている。

 結局マルセイユは前半だけでシュート11本、支配率72%を記録したが、ゴールを奪うには至らなかった。CLでの苦戦の原因にもなっている試合を支配しながらも点を決められず、ズルズルと時間が過ぎてしまうという課題は、このゲームでも少し表れてしまった。

 それでも、マルセイユは57分に先制弾を奪取。アルバロ・ゴンサレスのロングフィードに反応したダリオ・ベネデットが冷静にネットを揺らした。

 実はこのベネデット、ニームとの相性が抜群に良い。昨季の第19節で対戦した際には1得点1アシストを記録しており、第27節の対戦時にはハットトリックをマークしているのだ。まさに、“ニームキラー”である。

 その後マルセイユはニームにセットプレーからチャンスを作られる場面もあったが、得点は許さない。すると76分、カウンターを発動すると、ニームのアンドレス・クバスのファウルを誘発。クバスはこの日2枚目のイエローカードを受け退場となり、マルセイユが数的優位に立った。

 こうなると、試合はほぼ決まったようなものだった。そしてマルセイユは84分、途中出場のヴァレール・ジェルマンが得点を奪いとどめ。2-0で勝利した。

 マルセイユはこれでリーグ5連勝。1試合未消化ながら暫定2位に浮上している。

酒井はさすがの安定感。そして…

ブバカール・カマラ
【写真:Getty Images】

 この試合では長友佑都はベンチだったが、酒井宏樹はCLに引き続き先発入り。そしてフル出場を果たしている。

 酒井は立ち上がりの10分、自陣深い位置で危険な横パスを出して相手にカットされるというミスを犯すなど、試合への入りという部分はあまり良くなかった。しかし、その後は落ち着きを取り戻し、さすがの安定感を発揮。対峙したスウェーデン人のニクラス・エリアソンにほとんど仕事を与えなかった。

 もちろん攻撃面でも存在感を誇示。14分には高質なクロスを送り、ドゥーエ・チャレタ=ツァルの決定機を演出している。そして51分にはハーフウェーライン付近からドリブルを開始すると、強引に二人の間を突破。一度ボールを預けてスプリントし、リターンを受けてクロスを上げるなど、ダイナミックなプレーでチーム全体のラインを押し上げている。

 データサイト『Who Scored』による酒井のレーティングは「7.5」。DF陣では最も高い数字だが、妥当な評価と言えるだろう。勝利に大きく貢献した。

 しかし、そんな酒井よりも際立ったパフォーマンスを披露したのが、21歳の新鋭ブバカール・カマラだ。

 U-21フランス代表の同選手はマンチェスター・シティを筆頭に多くのクラブが獲得を狙う逸材で、未来のレ・ブルーを担う存在としても大きな期待を寄せられている。市場価値もぐんぐんと上昇中で、現在はキャリア最高の3200万ユーロ(約38億4000万円)という金額がついている。

 そんなカマラの本職はセンターバックなのだが、同選手は機動力があり守備範囲が広く、ボール奪取力もビルドアップ能力も非凡という万能型。そのスタイルをより生かそうとしたビラス・ボアス監督は昨季よりカマラをアンカーへとコンバートしており、今季も同ポジションで起用し続けている。

 このニーム戦でも、カマラは中盤底を担った。

 同選手は立ち上がりから積極的にボールに触れている。ニームは4-4-2ブロックで、2トップがマルセイユの2CBを見るという形。しかし、カマラが最終ラインに落ちビルドアップにかかわることで数的優位を作り、酒井とジョルダン・アマビの両サイドバックを上げることができた。

 カマラはボールの出し手としてはもちろん、受け手としても抜群に上手い。ワンタッチで敵を無力化し前進することもできるし、囲まれてもキープできる粘り強さがある。そして、機動力のある彼は常に良いポジションにいる。このようにカマラがニーム守備陣に「的」にならなかったのは、チーム全体の攻撃がスムーズに行えた要因と言えるのかもしれない。

 カマラはこの日、シュート数2本、パス成功率83%、ドリブル成功数1回、タックル数2回、空中戦勝利数単独トップの6回、キーパス1本、インターセプト2回を記録。攻守においての貢献度の高さは、一目瞭然だろう。

 マルセイユはこの後、マンチェスター・シティ、モナコ、そしてレンヌとタフな相手との対戦が続く。どこまで勢いを維持できるか注目だ。

(文:小澤祐作)

【了】

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