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浅野拓磨退団に監督も落胆。「彼のスピードで我々の戦いは大きく変わっていた」

text by 編集部 photo by Getty Images

浅野拓磨
【写真:Getty Images】

 日本代表FW浅野拓磨が突然の退団を表明したことはパルチザン・ベオグラードに大きな動揺を引き起こした。アレクサンダル・スタノイェヴィッチ監督もショックを受けたことを認めつつ、残されたチームの戦いに向けて気持ちを切り替える姿勢を強調している。

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 今季のパルチザンで最大の得点源として活躍していた浅野は、契約解除を発表するまでチームメートたちや監督との関係は良好だったようだ。浅野自身も「大好きなチームメート、チームスタッフ」と感謝の思いを表し、スタノイェヴィッチ監督に対しても「いつも信頼して後押ししてくれた」と退団声明の中で述べていた。

 だがクラブからの給与未払いや不誠実な対応を訴えて退団を表明した浅野に対し、チームメートだった選手たちは落胆や怒りを表した。MFラザル・マルコビッチは「ここにいたくない者に居場所はない」と憤り、主将のGKヴラディミル・ストイコヴィッチはチーム全体の総意として「浅野には裏切られた」とセルビアメディアに語っていた。

「我々にとって大きなショックだった。大きな衝撃だったことは間違いない。出て行くような様子は全く見せていなかった」とスタノイェヴィッチ監督もコメント。だが浅野を強く責める言葉を発することはなく冷静な反応を示している。セルビア紙『レプブリカ』などが同監督のコメントを伝えた。

「彼のスピードによって我々の戦いは大きく変わっていた。チームとして大きな損失だ」と監督は戦力面での痛手となることにも言及。「私はアサノについて一言も悪いことを言うつもりはない。彼は信じられないほどプロフェッショナルだった。何をするにも笑顔でやっていた」と浅野のチームでの様子を振り返った。

 一方で指揮官は、あくまでも“外国人助っ人”であった浅野との別れにドライとも言える反応も見せている。「私個人として影響を受けることはない。彼が外国人であったことも理由だ。ユースから長く一緒にいたような選手であれば個人的な話もできるが、彼とはプロフェッショナルな関係だ。彼に怒ってはいないし、個人的な関係もない」

 国内リーグではすでに2位が確定しているパルチザンだが、シーズンの最後には宿敵レッドスターと対戦するカップ戦決勝が控える。「アサノについて話をするのは今日が最後だ。これで終わりにしたい」とスタノイェヴィッチ監督は、騒動に終止符を打ちタイトル獲得に集中する姿勢を見せている。

【了】

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