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EURO2020 3年前

ベルギー代表は「個」で戦術を打ち破った。3-0の好発進、悲願の優勝へより求められるものとは?【ユーロ2020分析コラム】

シリーズ:分析コラム text by 小澤祐作 photo by Getty Images

ユーロ2020(欧州選手権)グループリーグB組第1節、ベルギー代表対ロシア代表が現地時間12日に行われ、3-0でベルギー代表が勝利した。優勝候補の一角であるベルギー代表は後半に入り苦戦を強いられたが、やはり個でそれを打ち破った。(文:小澤祐作)

優勝候補がロシアを圧倒

ベルギー代表
【写真:Getty Images】

 3年前のロシアワールドカップを盛り上げたベルギー代表とロシア代表によるゲームは、予想通りの結末になったと言えるだろう。後者を率いるスタニスラフ・チェルチェソフ監督は「妥当な結果だ」と試合を振り返っていた。

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 FIFAランキングトップに立つなど今が黄金期のベルギー代表は、お馴染み3-4-2-1で重要な初戦に臨んだ。チャンピオンズリーグ(CL)決勝で負傷したケビン・デ・ブルイネ、そしてレアル・マドリードで不調に喘ぐエデン・アザールが先発から外れたが、それでもロメル・ルカク、ドリース・メルテンス、ユーリ・ティーレマンスといった豪華な面々を揃えることができていた。

 戦前の予想と異なり4-2-3-1で挑んできたロシア代表に対し、ベルギー代表は立ち上がりからボールを握る。すると10分という早い時間に、相手にミスが起きルカクがゴールネットを揺らす。ロシア代表のプランをいきなり破壊した。

「スタートは非常に良く、引き分けに持ち込めると思った。しかし、ミスがすべてを変えてしまったね」とロシア代表の主将アルテム・ジューバが話した通り、1-0となった後のゲーム展開はほぼ一方的。ロシア代表は長身FWジューバにボールを当てカウンターを狙ったが、そもそも守備時は4-4-2で低い位置に構えているため、他の選手の押し上げが遅い。攻撃は加速せず、ベルギー代表にすぐ奪い返されてしまう場面が目立っていた。

 お互いに負傷者が出たため前半はプレーが途切れることも多かったが、ベルギー代表の流れが止まることはなかった。そして34分、怪我をしたティモシー・カスターニュに代わり出場したトマ・ムニエがゴール。ロシア代表にポジティブな雰囲気を与えないまま、突き放した。

 データサイト『Who Scored』による前半のスタッツはシュート数7本対3本、支配率67.5%対32.5%、パス本数385本対179本と大きな差がついている。この時点で、昨日のイタリア代表対トルコ代表の以上のスコアになると予想した人も決して少なくなかったのではないだろうか。

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