オランダ代表、不安を吹き飛ばす完勝の理由。ギリギリすぎた初戦から、何がアップデートしたのか【ユーロ2020分析コラム】

2021年06月18日(Fri)11時46分配信

シリーズ:分析コラム
text by 小澤祐作 photo Getty Images
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初戦の反省を活かした90分間



 今大会の初陣となったウクライナ代表戦では2点のリードを奪いながら、一時スコアを振り出しに戻されたオランダ代表。終盤に3点目をあげなんとか勝利したが、最後までヒヤヒヤした展開となっていた。

 その試合では前掛かりになったところをうまく突かれ、深い位置まで押し込まれることが多かった。とくに、ダブルボランチの一角であるマルテン・デ・ローンの脇を使われることが多く、最終ラインと中盤でのマークの受け渡し等もスムーズではない。試合中には、デ・ローンとステファン・デ・フライがボールホルダーへのチェックについて激しく言い合う姿も見られていた。

 しかし、オーストリア代表戦は先述した通り堅実にリードを保つことができていた。ウクライナ代表戦でのぞかせた不安は、ほとんどなかった。

 3-4-1-2で臨んだオランダ代表は守備時5-2-3に変形した。トップ下ジョルジニオ・ワイナルドゥムが外にポジションを移し、相手の3バックの前に3人が立つことでビルドアップのテンポを遅らせている。

 先述した通り、ウクライナ代表戦ではフレンキー・デ・ヨングが攻撃参加した後の中央のバランスが曖昧となり、デ・ローンの脇を使われ押し込まれることも多かったが、この日は二人のバランスが崩れることはほぼなかった。

どうしても中盤のスペースが空いてしまう場合は、3バックが思い切って前に出て確実にカバー。とくに、初戦を負傷のため欠場したマタイス・デ・リフトの存在感は大きかった。ウクライナ代表戦では背後のリスクを恐れてか、なかなかこれができていなかったが、オーストリア代表戦では違ったのだ。

 もちろんウクライナ代表とオーストリア代表はフォーメーションも選手も違うわけで、上記した以外にも様々な要素が絡んで生まれた結果ではあるが、デ・ブール監督が選手の距離感、スライド、マークの確認といった部分を初戦の課題を踏まえてより意識させ、短い時間でチームをアップデートしてきたのは明らかと言えるだろう。

 修正を施し、相手を完封して勝利を収めたオランダ代表はこれでグループリーグ突破が確定。次節は北マケドニア代表と対戦する。デ・ヨングは「最終戦のプレッシャーはなくなったけど、勝ちたい気持ちは変わらない」と意気込む。

(文:小澤祐作)

【了】

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