フランス代表はなぜ「失敗」したのか? 落とした勝ち点2、一発は怖いが…直面した問題【ユーロ2020分析コラム】

2021年06月20日(Sun)11時32分配信

シリーズ:分析コラム
text by 小澤祐作 photo Getty Images
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EURO2020(欧州選手権)グループリーグF組第2節、ハンガリー代表対フランス代表が現地時間19日に行われ、1-1のドローに終わっている。現世界王者フランスからするとまさかの結末となったが、一体何が起きたのか。(文:小澤祐作)

“守りだけ”ではないハンガリーに苦戦

ディディエ・デシャン
【写真:Getty Images】

 試合終了のホイッスルが鳴り響くと、普段は冷静沈着なGKペテル・グラーチがまるで優勝したかのように喜びを爆発させていた。それほど、ハンガリー代表にとって世界王者から奪った勝ち点は、価値のあるものだったのだ。

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 一方でフランス代表選手の表情は、やはり少し暗かった。試合後ディディエ・デシャン監督は「満足している。この結果に大喜びはしていないが、満足しているよ。負けたわけではないし、すでに手にしている3ポイントに加えて1ポイントを手にしたのだから」と話したが、2018年ロシアワールドカップ王者に対しての期待感、そして求められるものは大きい。そういった意味でも、この引き分けは「失敗」と言わざるを得なかった。

 ハンガリー代表の戦い方は初戦のポルトガル代表戦と大きく変わらなかった。守備時は5-3-2のブロックを組み、中央を締める。ボールを奪われた直後は猛烈なプレッシャーを与え即時奪回を狙い、相手がそれを嫌がり深い位置までボールを下げれば、再び5-3-2の形を整える。これを徹底して繰り返した。

 フランス代表にとって厄介だったのは、ハンガリー代表が決して「守るだけ」のチームではなかったことだ。これはポルトガル代表戦にも言えたことだが、中盤のラースロー・クレインヘイスレルやアーダーム・ナジ、最前線のロランド・シャッライといった選手はすぐにボールを放すのではなく、相手を恐れず勇敢にドリブルを仕掛ける。そこで強引ながらも一枚を剥がして数的優位を生み出しチーム全体を押し上げる、あるいはファウルを貰い時間を作るということができていた。“守りだけ”では肉体的にも精神的にも厳しいものがあるが、マルコ・ロッシ監督率いるチームはそうではなかったのだ。

 そんなハンガリー代表を前にフランス代表は、ポゼッション率を高めるもペースを掴み切れずにいた。チャンスがまったくなかったわけではないが、グラーチの好セーブもありゴールネットは揺れない。どこかモヤモヤした状態だった。

 そして、最悪の瞬間は訪れた。前半終了間際、レ・ブルーは前掛かりになったところを一気に突破され、左ウイングバックのアッティラ・フィオラにゴールを与えた。満員のスタジアムは大盛り上がり。ハンガリー代表に上記した戦い方の強度をより上げられてしまう、そんな状況を招いてしまったのだ。

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