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EURO2020 3年前

イングランド代表監督が優れているのは…。史上初のユーロ決勝へと導いたサウスゲートの手腕とは?【英国人の視点】

text by ショーン・キャロル photo by Getty Images

グリーリッシュが称賛する指揮官の能力


「僕とガレスについて色々書かれているのを目にすることもあるけど、彼との関係は素晴らしいものだ。選手全員に同じことが言える。彼の人材管理力は素晴らしいよ」。ウクライナ代表との準々決勝を前に、グリーリッシュはこう話していた。

「ハリー(・ケイン)の両側でプレーする選手は6人いる。世界中のほとんどのクラブでプレーできるような選手たちばかりだ。僕と、ジェイドン(サンチョ)、マーカス(ラッシュフォード)、ラヒーム(スターリング)、フィル・フォーデン、ブカヨ(サカ)。本当に強力な6人だ。うぬぼれでも何でもなく、単純に事実としてそうだからね」

「6人全員を起用することはできないけど、監督は全員がチームに関わっていると感じられるようにうまくやってくれている。今でも毎日全員と話をしているよ」

 チーム内のポジティブな人間関係を維持するだけでなく、チームを取り巻く諸問題に対してもサウスゲートは雄弁かつ毅然とした対応を取ってきた。人種的不平等と差別の問題を浮き彫りにするため、試合前に選手たちがひざまずくことを決断した時もそうだった。大会前の6月初旬にミドルスブラで行われたオーストリア代表との親善試合では、膝をついた選手たちに対して観客の一部から明らかなブーイングも聞こえてきたが、指揮官は問題から逃げるのではなく正面から向き合ってみせた。

「大多数の観客が打ち消してくれたのは喜ばしいことだったが、(ブーイングが)起きたという事実は否定できない」

「批判的な声だと感じられるので、チーム内の黒人選手たちのことを思えば、聞きたいものではなかったのは確かだ。だが選手たちにとって何より大事なのは、チームメートとスタッフの全員が支持してくれていると感じられることだと思う」

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