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久保建英 3年前

久保建英&イ・ガンインのコンビに見た可能性。共演時間わずかも…マジョルカの新たな武器に?【分析コラム】

シリーズ:分析コラム text by 編集部 photo by Getty Images

イ・ガンインとの共演はわずかだったが…



 さて、少し話は変わるが、この試合で多くの人が注目したのは日韓の逸材同士による共演である。久保、そしてバレンシアから加わったイ・ガンインだ。

 スタメン起用の久保に対し、イ・ガンインはこの日ベンチスタートとなった。後者に出番が訪れたのは72分のことで、ジョルディ・ムブラと交代している。それに伴い久保が右サイドに移動し、イ・ガンインはトップ下に入った。

 しかし、ようやく日韓の若きMFが共演! と思ったのも束の間、77分に久保がベンチへ下がることに。二人が同時に出場していたのは、約5分間となった。ただ、この短い時間の中でも、彼らは可能性を感じさせていた。

 イ・ガンインはピッチに入った直後、さっそくキック精度の高さを活かし効果的なサイドチェンジを二度行っている。76分にはイ・ガンインから反対サイドの久保へ長いボールが渡り、同選手が中へ切り込む。そこから味方を経由しリターンを受けると、中央へ入ってきた韓国代表MFへパス。そこから再び良いテンポでパスが繋がり、チャンスを作り出すことに成功していたのだ。久保が代表活動に参加していたため韓国代表MFと共に練習を重ねた時間は短いはずだが、二人のプレーイメージに大きな違いはなさそうに思えた。

 久保、イ・ガンイン、そしてダニ・ロドリゲスらはボールを保持することに長けている。彼らが2列目に並ぶことで、相手ゴール前のアイデアがより豊富になるということが、わずかな時間の中でも見て取れた。そこを考えると、今後は右サイドでやや精彩を欠き続けているムブラを外し、右から久保、イ・ガンイン、D・ロドリゲスを並べても面白いかもしれない。

 ただ、リスクもある。守備の強度だ。イ・ガンインはバレンシア在籍時から守備に難ありとされてきた選手で、久保は守備の意識は向上こそしているが、インテンシティーを考えると決して十分とは言えない。トップ下に比べ、サイドの方が猛烈なプレスバックを求められる回数も増えてくるはずで、その中でどれだけプレー精度を維持できるかは不透明である。

 攻撃面を考えれば上記3人の並びは理想と言えそうだが、果たしてどうなるか。今後のルイス・ガルシア監督の選択に注目したい。

(文:小澤祐作)

【了】

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