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レアル・マドリード、18歳の新鋭はまるでかつての司令塔? 生まれ変わりつつあるチームが出す独自の色とは…【分析コラム】

シリーズ:分析コラム text by 本田千尋 photo by Getty Images

指揮官が捉える2つの課題



「我々は(ダヴィド・)アラバや(フェルランド・)メンディのようなキー・プレイヤーを欠いているが、ボールを持っていない時にもっと自分たち自身を助けなければならない。ポゼッションを失った時に問題を解決できれば、それは今後のゲームで問題を避けるのに役立つだろう」

 このようにアンチェロッティ監督は、「ボールを持っていない時」と「ポゼッションを失った時」という守備における2つの局面を課題と捉えているようである。指揮官が言及したように、負傷離脱中のアラバとメンディが復帰すれば変わってくるかもしれないが、いずれにせよ後方からのビルドアップというボールを持っている時も含め、「ボールを持っていない時」の安定した守備組織の構築は「今後のゲーム」に向けた課題と言えるだろう。

 そして「ポセッションを失った時」にカウンターを招くということは、ボールを持っている時の全体的なバランスを欠いているということでもある。理論上の話にはなるが、ポゼッション時に選手間の距離を適切に保ってバランスを整えることができていれば、被カウンター時に即座に切り替えて連動したプレスでボールを奪いに行くことが可能だ。

 この“バランス”の構築も「今後のゲーム」に向けた課題と言えそうだが、ここでカギを握るのがカマヴィンガかもしれない。新加入の18歳はセルタ戦で早速ゴールを決めたが、アンチェロッティ監督は得点能力よりも、かつてのアンヘル・ディ・マリアのような役割をカマヴィンガに求めているのではないか。

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