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チェルシーはなぜ圧倒されたのか? 狙われたルカク、限りなく近かったグアルディオラ監督の理想とは…【分析コラム】

シリーズ:分析コラム text by 本田千尋 photo by Getty Images

プレミアリーグ第6節、チェルシー対マンチェスター・シティが現地時間25日に行われ、0-1でシティが勝利を収めた。試合はわずか1点差で決着がついたが、試合のペースを握ったのはシティだった。昨季のUEFAチャンピオンズリーグを含めて、3連敗を喫していたトーマス・トゥヘル監督率いるチェルシーを、どのようにして圧倒したのだろうか。(文:本田千尋)

「シティに対するシステムの問題ではなく…」

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【写真:Getty Images】

 ボールを失った時の質で圧倒した。

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 現地時間9月25日に行われたプレミアリーグ第6節。スタンフォード・ブリッジに乗り込んだマンチェスター・シティは、敵地でチェルシーに勝利。53分にガブリエウ・ジェズスが決めたゴールが決勝点となった。

 スコアは1-0だったが、決してシティの辛勝ではなかった。チェルシーに枠内シュートを1本も許さないなど、内容を伴った快勝だった。

 試合後、敵将のトーマス・トゥヘル監督は、次のようなコメントを残した。

「失点するまで、我々は最後の20メートルのところで非常に強かったが、残念ながらそこだけだった。残りのピッチ80メートルでの我々は十分な動きができていなかった。今日は3-5-2に決めたが、シティに対するシステムの問題ではなく、判断と相手のスペースへの適応の問題だと思う」

 シティに対してチェルシーは、ロメル・ルカクとティモ・ヴェルナーを2トップに置く[3-5-2]の布陣で臨んだ。より正確に言えば、5バック+3ボランチで「最後の20メートルのところ」を固める[5-3-2]の布陣である。序盤こそハイプレスの応酬だったが、次第にシティがポゼッションを高め、チェルシーはカウンター狙い一辺倒になった。25分の時点で、シティのボール支配率は71%に達している。

 トゥヘル監督が振り返ったように、チェルシーは「最後の20メートルのところ」で守備は非常に固かったが、「残りのピッチ80メートル」でカウンターを仕掛けてフィニッシュまで持っていくことはできなかった。

 なぜか。シティのカウンター・プレスがことごとく機能したからである。

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