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マンUはなぜ惨敗した? レスター戦でも改善されない2つの課題、敗戦の要因となったのは…【分析コラム】

シリーズ:分析コラム text by 編集部 photo by Getty Images

唯一見れた希望は…



 しかし、悪いことばかりではない。「期待している! 彼がピッチに戻ってきたのは朗報だ。これが今日の唯一のボーナスだろう。」とオーレ・グンナー・スールシャール監督が語ったように、この試合唯一見れた希望は、マーカス・ラッシュフォードの復帰だ。

 昨季通して肩の痛みに苦しんだラッシュフォードは、ユーロ2020決勝後に手術を決断。リーグ開幕から戦線を離脱していたが65分、ジェイドン・サンチョに代わり復帰を果たした。

 足元にパスを欲しがるサンチョとは異なり、スピードを活かして果敢に裏へ抜けるラッシュフォードは、チームに変化を与えた。76分のカウンターの場面では、チャンスと見るやすぐさま最前線を走り、相手DFの裏にこぼれたボールを拾うとクリスティアーノ・ロナウドの決定機を演出した。

 その直後に失点したが82分、ヴィクトル・リンデロフのロングパスから相手DFの裏に抜け出すと、GKとの1対1を冷静に沈めて同点に戻した。

 リンデロフのパスも正確だったが、この日初めての裏への抜け出しを見せたマンチェスター・ユナイテッドに対し、レスターは完全に対応に遅れていた。シンプルではあるが、攻めあぐねていた同クラブに変化をもたらし、同点弾を上げたラッシュフォードの存在は、チームの復調に欠かせない。

 先述した通り、スールシャール監督はチームの変化が必要と語ったが、復帰したラッシュフォードの存在により、選択肢が増えることは間違いない。システムや戦術を大きく変更するのは、すれとも細かな修正で済むのか。いずれにしても、ラッシュフォードの今後の活躍は、チームの結果に大きく関わってくるだろう。

(文:阿部勝教)

【了】

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