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バルセロナの暗黒期はもう始まっているのかもしれない。主導権を握れない中盤、錆びついたFW、不運だったのは…【分析コラム】

シリーズ:分析コラム text by 本田千尋 photo by Getty Images

リーガ・エスパニョーラ第11節、ラージョ・バジェカーノ対バルセロナが現地時間27日に行われ、1-0でバルセロナが敗れた。リーグ戦2連敗を喫したバルセロナは、試合後にロナルド・クーマン監督の解任を決断。過渡期を迎えたチームは、乗り越えなければいけない課題をいくつも抱えている。(文:本田千尋)


バルセロナに襲い掛かる昇格組

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【写真:Getty Images】

 “暗黒期”が始まるのだろうか――。

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 現地時間10月27日に行われたリーガ・エスパニョーラ第11節。前節のクラシコで“永遠のライバル”レアル・マドリードに敗れたバルセロナは、今節アウェイで行われたラージョ・バジェカーノ戦も0-1で落としてリーグ戦2連敗を喫した。

 その試合後、日付が変わると、クラブはロナルド・クーマン監督の解任を発表。バジェカーノ戦の敗北を受けて、ジョアン・ラポルタ会長がオランダ人指揮官に伝えたという。なお、解任の時点で後任は未定とのことである。

 ラージョ戦でのバルセロナは、狭いピッチと敵のインテンシティに苦しんだ。俺たちがバルセロナに引導を渡してやる――。バジェカーノの選手たちは、そんな気迫で序盤からハイプレスを掛けてきた。リバプールを彷彿とさせる弾丸のようなプレッシングだった。

 それでもバルセロナの選手たちは、持ち前の技術の片鱗を発揮。10分過ぎには敵陣でボールを回し始め、13分にはハイプレスを剥がして右サイドのセルジーニョ・デストを経由して一気にゴール前に迫った。だがフィニッシュの精度を欠き、再び敵のプレスに引っ掛かり始め、テンポ良くパスを繋いでリズムを作ることができない。

 ピッチが広いホームのカンプ・ノウであれば、幅を取ってサイドチェンジを織り交ぜながら、ラージョの強烈なプレッシングを剥がして行けたかもしれない。しかし、およそ1万4000人収容のカンポ・デ・フットボル・デ・バジェカスのピッチは狭く、だからこそラージョは選手間の距離を狭くして、守備の強度を高く保つことができた。そのプレッシングの威力は絶大だった。

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