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C・ロナウドが爆発! しただけ…。マンU監督は”何もない”、いつまで選手に救われ続けるのか【欧州CL分析コラム】

シリーズ:分析コラム text by 小澤祐作 photo by Getty Images

如実に表れた監督力の差



 その理由は、名将ジャン・ピエロ・ガスペリーニ監督の修正力にある。

 ユナイテッドが4-2-3-1へと変更した後、アタランタはB・フェルナンデスの対応に少し困っていた。そこでガスペリーニ監督は、後半よりDFベラト・ジムシティを投入し、それまで3バックの一角を担っていたマルテン・デ・ローンを一列前に上げる。そして、潰し屋のオランダ代表MFをB・フェルナンデス専門のマーカーとして使ったのである。

 デ・ローンはその役割を高いレベルでこなした。B・フェルナンデスがどこへ行っても基本的にはついていく。間に合わない場合は、メリフ・デミラルやレモ・フロイラーにバトンを渡すことで、とにかく自由を奪っていた。こうしてまずは守備を安定させたことで、アタランタは再び流れを取り戻したのである。

 そして56分、一本のロングフィードからドゥバン・サパタが抜け出し、ゴールを奪取。最初はオフサイドかと思われたが、点は認められることになった。

 ユナイテッドはその後もB・フェルナンデスが潰され続けたことで、攻撃の迫力を失った。敵陣に侵入しても囲まれて奪われ、前掛かりになっているところをカウンターで突かれる場面が散見。エリック・バイリーのスペシャルな守備もあってギリギリ耐えていたが、かなり厳しい状況だった。

 前半終了間際に見られたわずかな問題点を早急に修正し流れを取り戻したガスペリーニ監督と、相手ペースで進む中何も行動を起こせないスールシャール監督。後半の戦い方に、監督力の差が如実に表れたと言わざるを得なかった。

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