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古橋亨梧は試合に出れば結果も出す。ELで2試合連発、それでもポステコグルー監督が懸念することとは?【EL分析コラム】

シリーズ:分析コラム text by 舩木渉 photo by Getty Images

チーム内得点王なのに先発から外れた理由

古橋亨梧
【写真:Getty Images】



 複数のスコットランドメディアによれば、セルティックを率いるアンジェ・ポステコグルー監督は「2失点には失望している」としながらも「我々のパフォーマンスは非常に良かったと思う。3つの素晴らしいゴールを奪い、さらに2つか3つのゴールを決めるチャンスがあった」「2失点は今夜の我々がどんなプレーをしたかを真に反映したものではない」と選手たちを称賛したという。

 とりわけ「今夜の彼らは素晴らしかった」と、それぞれ1点ずつ挙げたアバダ、ジョタ、古橋の3トップの働きぶりに大満足の様子。「ただロングボールを蹴るのではなく、後ろからのビルドアップが彼らにいいチャンスを与えるという事実を無視はできない」と、指揮官自身が掲げるチームスタイルにも自信を深めている。

 10月に入ってから公式戦5連勝と波に乗っていたセルティックだが、3-2で勝利したアウェイのフェレンツバロシュ戦を前に国内リーグの重要な試合で勝ち点を落としていた。今季最初の対戦で0-1と敗れていたリヴィングストンとの一戦を0-0のスコアレスドローで終えていたのである。

 この試合では古橋がベンチスタートとなり、セルティックはゴールを奪えず。公式戦でチーム最多得点を記録しているエースストライカーを先発起用しなかったポステコグルー監督の采配に、多くのファンから不満の声が上がったという。

 しかし、指揮官としても古橋の起用法には考えがあるようだ。できるだけ多くのゴールを決めてもらうためには「選手を守る必要がある」と、3日に行われたフェレンツバロシュ戦の前日記者会見の中で説明している。

「我々はキョウゴやカラム・マクレガーを失っていた時期があった。ギオルゴス・ジャコマキスも、マイキー・ジョンストンも、ジェームズ・フォレストも負傷離脱していて、本当の意味で選択肢がない時期もあった。今は彼らが復帰しているので、試合の中で稼働させ、チームに適応させるために、できるだけ多くのプレー時間を与える必要がある。

一方、キョウゴに関してはシーズンの4分の3を終えたタイミングで日本を離れたこともあって、我々は本当に気をつけなくてはいけない。彼は(9月の)日本代表の活動を終えてセルティックに戻ってきた時、怪我をしていた。

もちろんファンの皆さんがキョウゴがいつもピッチに立っていることを望むのは理解できる。そして、彼はプレーするたびに素晴らしいプレーを見せてくれている。しかし、我々は注意しなくてはならない。まだ11月が始まったばかりで、このままでは来年の4月や5月までの全ての試合でトップレベルのプレーを見せることはできないんだ」

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