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バルセロナはすべてで劣勢。スピード、強度、正確性…。シャビ監督は「新しい時代を始める」と言ったが…【欧州CL分析コラム】

シリーズ:分析コラム text by 編集部 photo by Getty Images

「これが私たちの現実」



 今夏に長年チームの絶対的存在として君臨したリオネル・メッシが退団したことで、新たな時代を迎えたバルセロナは、シーズン序盤から苦戦を強いられた。CLでは開幕節でバイエルン・ミュンヘンに0-3で敗れると、次節のベンフィカ戦でも3-0で敗戦。クラブ史上ワースト記録となる、2試合で6失点の最悪のスタートとなっていた。

 不振が続いたバルセロナは今年10月にロナルド・クーマン監督を解任し、クラブのレジェンド、シャビ・エルナンデスを新監督として招聘。クラブの立て直しを図ったが、予想以上に深刻なクラブ状況を改善するには時間が足りず、先述した通りバイエルン・ミュンヘンに敗れたことで、21季ぶりのCLグループリーグ敗退となってしまった。

まさかのCL敗退となったバイエルン・ミュンヘン戦後の会見でシャビ監督は「我々は常に相手を支配しようとしが、より優れていたのは相手の方だった」と試合を振り返った。

 事実、バルセロナがこの試合でバイエルン・ミュンヘンに劣っていたのは明らかだった。攻撃にスピード、守備の強度、プレーの正確性、どれをとってもホームチームの方が勝っていた。

 1失点目と2失点目は的確にウィークポイントを突かれ、3失点目は一本のロングパスから簡単に決められてしまっていた。

 敗戦を認めつつも、シャビ監督は「我々はバルセロナだ。この敗戦をダイナミックで多くのことを変える転機としなければならない。これが現実。今日から新しい時代を始める」とゼロからチームを立て直す決意表明を語った。

 また、「我々の目標はヨーロッパリーグではなく、チャンピオンズリーグだ。バルサをあるべき場所に戻さないといけない」とも語っている。

 現在のチーム状況が厳しいのは見るも明らかだ。若い選手らの頭角はあるが、バルセロナは世界有数のビッグクラブ、長い目を見ての改善とはいかない。早期改善が求められる。

 今季のCL敗退が決まり、ラ・リーガでも7位に沈むバルセロナは、来季のCL出場を逃すことになればクラブの復活は今以上に難しくなっていくに違いない。故郷に帰還したレジェンドは、バルセロナの新たな時代を築き、復活させることが出来るだろうか。

(文:阿部勝教)

【了】

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