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久保建英 2年前

久保建英は誰も止められなかった。ドリブルにパス、全てが別格。それでも…立ちはだかった厳しい現実【分析コラム】

シリーズ:分析コラム text by 小澤祐作 photo by Getty Images

ラ・リーガ第18節、グラナダ対マジョルカが現地時間19日に行われ、4-1でホームチームが勝利した。日本代表MF久保建英はこの日、戦列復帰後初となるフル出場を達成。高質なドリブルやパスで攻撃のグレードを引き上げ続けた。しかし、それでもチームは…。(文:小澤祐作)

誰よりも躍動していた久保建英

久保建英
【写真:Getty Images】

 現地10日に行われたセルタ戦はタッチ数わずか2回に留まるなど、不完全燃焼となった久保建英。しかし、年内最後の公式戦となったグラナダ戦では、そんな前節の鬱憤を晴らすかの如く躍動し、改めてその実力を世に証明している。

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 戦列復帰後初となるリーグ戦スタメン出場を果たした久保は、とにかくキレキレだった。パスを受ければ必ずと言っていいほど前を向き、相手ゴールへ力強くボールを運んでいく。随所で質的優位を生み出し、チャンスの幅を広げていた。

 その巧みなドリブルに、グラナダDF陣は大苦戦。事実、19分にルイス・ミナ、22分にはマキシム・ゴナロンにイエローカードが提示されたのだが、いずれも誘発したのは久保のドリブルだった。

 82分には右サイドで相手DF二人に囲まれるも、巧みなコントロールでボールを保持し続け、打開に成功。最後はクロスへと持ち込むなど、ノリに乗るこの日の久保は誰も止めることができなかった。

 もちろん、久保の良さはドリブルだけに留まらない。パスセンスも際立った。

 24分、ダニ・ロドリゲスの同点弾の起点となったサイドチェンジはワールドクラスだった。サイドを駆け上がるハウメ・コスタの勢いを殺さない絶妙な位置にボールを落としたことで、チーム全体として止まることなくゴール前に人数をかけられている。まさにパーフェクトな一発だった。

 64分にも芸術的なプレーがあった。ピッチ中央でボールを受けると、そのままドリブルで敵陣深くへ侵入し、最後はボックス内へ絶妙なスルーパスを流し込む。アントニオ・サンチェスの動きが遅れたことでビッグチャンスにはならなかったが、久保のアイデア、そして視野の良さが出た印象的なシーンであった。

 上記したもの以外にも多くの見せ場を作った久保。同選手がいなければ、マジョルカの攻撃の質はさらに落ちていたと言っても過言ではないだろう。戦列復帰後初となるリーグ戦先発ながらフル出場を果たした事実が、それを大きく証明していると言えそうだ。

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