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久保建英 2年前

久保建英はなぜ前半で下げられたのか。失点関与が悪印象? テコ入れが必要な問題とは【分析コラム】

シリーズ:分析コラム text by 小澤祐作 photo by Getty Images

久保建英はなぜ前半のみで交代に?



 そんなベティス戦で、日本代表MF久保建英は右サイドハーフとして先発出場を果たしていた。しかし、この日は不完全燃焼に。前半45分間のみで交代を強いられてしまったのだ。

 攻撃時のプレークオリティーが悪かったとは思わない。何度か良い形でパスを引き出しており、ボールコントロールも安定。不用意に失うことはなかった。

 13分にはハーフスペースでうまくパスを受け、結果オフサイドになっていたが、ムリキへ絶妙なパスを通した。さらに15分には右サイドで縦に仕掛け、右足から可能性のあるグラウンダークロスを供給。そして34分には、右サイドから中に持ち込みフィニッシュへと繋げるなど、それなりに見せ場は作っていた。

 では、なぜ前半のみで交代になったのか。それは、守備面にあると言えるだろう。

 久保の守備対応に大きな問題があったわけではない。切り替えは早く、相手のサイドバックにもよくプレッシャー与えていた。23分、カウンターを受けた場面では懸命に自陣ボックス内まで戻り、最後はヘディングで相手の決定機を阻止。素晴らしい対応だった。

 しかし、久保の負担は大きかった。ベティスは攻撃的なSBであるA・モレノ、そして巧みな動きみせ最終ラインをかく乱してくるファンミのいる左サイドからしつこく攻めてきたからだ。その中で、マジョルカがピンチを迎えることも決して少なくはなかった。

 そのためルイス・ガルシア監督は、後半に入りアマト・エンディアイエを投入。そして久保よりも守備強度の高いダニ・ロドリゲスを右に回し、サイドの安定性を高めてきたのである。先述した通り久保は奮闘していたが、より守備強度を上げたいとなると、妥当な交代だったようにも思う。

 とくに久保が悪い印象を与えてしまったのは、やはり先制点の場面だろう。

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