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チェルシーに「堅実さ」をもたらす最重要人物とは? リール戦で悪い流れを止めた男の重要性【欧州CL分析コラム】

シリーズ:分析コラム text by 安洋一郎 photo by Getty Images

チェルシーの最重要人物とは?



 昨年の11月末から12月にかけてチェルシーは珍しく公式戦6試合連続失点を記録したが、今年に入ってからは1度も連続失点を喫していない。複数失点を喫したのもリバプール戦(2-2)の1試合のみで、それ以外の11試合を1失点、もしくは無失点に抑えている。

 連続失点を喫していた期間と失点が大幅に減少している現在の差とは何なのか。それはリール戦でも大活躍したカンテが出場したか、欠場したかの違いだ。

 今季カンテが出場した25試合と欠場した17試合の成績を比較すればその重要性がわかるだろう。出場した25試合の1試合あたりの平均失点が0.48点だったのに対し、欠場した17試合の1試合あたりの平均失点は出場時の約2倍となる0.94点へと跳ね上がる。また、出場した25試合で複数失点を喫したのは今年のリバプール戦のみで、試合に敗れたのもいずれも無得点でシーズンダブルを喫したマンチェスター・シティ戦のみだった。

 このデータから今季のチェルシーはカンテが試合に出場し、1点以上ゴールを決めればほぼ負けることがないということがわかる。欠場時の失点の増え方を見ても現在のチェルシーの「最重要人物」はカンテといっても過言ではないだろう。

 すべてのコンペティションで勝ち残っているチェルシーは、今週末にリバプールとのカラバオ・カップ決勝があり、プレミアリーグ、FAカップ、CLを並行して戦う過密日程が待ち受けている。今後も勝ち残っていくためには、「最重要人物」カンテのコンディションとその稼働率がカギを握りそうだ。

(文:安洋一郎)

【了】

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