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「世界最高の控え」がリバプールを優勝に導いた! 「信じられないほどの活躍」とクロップ監督が絶賛した男の働きとは?【分析コラム】

シリーズ:分析コラム text by 編集部 photo by Getty Images

互いにチャンスを作る好ゲーム



 48分、ペナルティーエリア左をハフェルツに抜かれてチャンスを作られると、その直後にはメイソン・マントにDFの裏へ抜け出されてしまう。フリーでGKと1対1となったが、ゴール右下隅を狙ったシュートはゴールをポストを叩いた。

 さらに58分には、マティプが競り合いに出た裏を突かれ、またしてもマウントに抜け出される。そのままペナルティーエリア内に侵入され、ハフェルツとのワンツーからシュートを打たれたが、これはケレハーが難なくセーブした。

 リバプールは立て続けにピンチを迎えたが、ここから反撃に出る。

 チェルシーは5バックを敷いた堅い守りから少人数でカウンターを仕掛けていた。だが、DFラインはリバプールの3トップを警戒して上がらない。そのため、中盤とバイタルエリアにスペースが生まれていた。リバプールはこのスペースを突き、マネがボールを引き出して起点となり、両サイドにボールを振って攻撃を展開した。

 すると、リバプールはビックチャンスを迎える。

 64分にメンディのクリアミスをファビーニョが拾うと、バイタルエリアでマネが受けてサラーへスルーパス。GKをループシュートでかわしたが、これはゴール目前でチアゴ・シウバにクリアされた。

 その直後にはペナルティーエリア手前でFKを得ると、トレント・アレクサンダー=アーノルドのクロスをマネが折り返して、最後はマティプがヘディングシュート。先制したかに思われたが、オンフィールドレビューの結果、オフサイドポジションにいたファン・ダイクがマネをマークしようとしていたリース・ジェームズを妨害した判断され、ゴールは取り消しとなった。

 その後リバプールはディオゴ・ジョタやハーヴェイ・エリオットらを投入。相手ゴールに迫ったが決めきれず、試合は延長戦にもつれ込んだ。

 予想以上に激しい展開となった延長戦でもゴールは決まらず、試合はPK戦に突入した。120分を戦い抜いた疲れもあったはずだが、両チームとも誰もPKを外さない。10-10となり、勝敗は両GKに託された。まずは、先行のケルハーがゴール。次に蹴ったケパ・アリサバラガは左上に外してしまい、リバプールの10年ぶり9度目の優勝が決まった。

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