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アーセナル、アルテタ監督が許せなかった「25分間」。欧州CLという現実を見据えた上で描く理想【分析コラム】

シリーズ:分析コラム text by 本田千尋 photo by Getty Images

アルテタが「好ましくない」としたのは?



 センターサークル付近から悠々と左サイドに繋がれると、ゴール前にロングボールを蹴られ、ベン・ホワイトが侵入してきたムサ・シソコに対処しきれず、点を決められてしまう。結果、スコアは3-2のままアーセナルが勝ち切ったが、アルテタ監督からすると、とりわけこの2失点目が「好ましくなかった」ようだ。スペイン人指揮官は、次のように振り返っている。

「我々は相手に対してスペースを与えていたが、与え続けると、苦しむことになる。我々はそれを正さなければならず、しばらくの間は修正できたが、それから最後の25分間で、再び相手にスペースを与えてしまった」

 アルテタ監督が振り返るように、特に先制した後の8分以降にワトフォードに「スペースを与えていた」ことで、アーセナルは11分に同点に追い付かれてしまった。その後は修正してゴールも重ねて試合を優勢に進めながら、試合が終わりに向かう局面で「再び相手にスペースを与えてしまった」ことで、ガナーズは1点差まで詰め寄られてしまう。

 ここでシソコに2点目を決められた責任の所在は、ホワイトの対処の仕方にあるのではなく、チームとして敵に適切なプレッシングを掛けられず、センターサークル付近から悠々とパスを繋がれたことにあると言えるだろう。スペイン人指揮官は「我々は守備面において適切な構造を有していなかった」と言う。

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