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レアル・マドリードはなぜ奇跡を起こせたのか? 聖地で逆転勝利、PSGに生まれた弱点とは…【欧州CL分析コラム】

シリーズ:分析コラム text by 編集部 photo by Getty Images

聖地でみせたレアルの意地

レアル2
【写真:Getty Images】



  PSGは守備時に前線の3人の前に残し、4-3の2ラインで守備網を敷いた。1stレグのレアルのように前線に人数をかけず、最低限の人数でカウンターを狙っていた。

 対してレアルは前線からプレスに出る。左サイドを起点に攻撃を展開し、前半からドリブル突破を見せていたビニシウスがカットインやサイドラインに張ることでスペースを作り、上がってきたナチョ・フェルナンデスやルカ・モドリッチとの連係で相手ゴールに迫っていた。

 すると61分、ベンゼマがジャンルイジ・ドンナルンマへのプレスから、反撃の狼煙となるゴールを奪取。これで会場がヒートアップすると、レアルが底力を見せる。

 76分は自陣でモドリッチがボールを奪うと、高速カウンターでベンゼマがこの日2点目を決めた。さらに、キックオフ直後に猛プレスを仕掛けてボール奪い、その勢いのまま3点目をゲット。エースのハットトリックで3-1とし、2戦合計3-2と逆転に成功した。

 PSGはこの失点後にアンヘル・ディ・マリアを投入。前線に人数をかけてきたが、レアルも攻撃の手は緩めない。得点を奪おうと前がかりになった相手DFの裏を突いて途中出場のロドリゴとビニシウスが抜け出し、再三ゴールに迫った。

 ムバッペやネイマールにドリブルで持ち込まれる場面はあったが、そこはさすがの対応。フェデリコ・バルベルデとエドゥアルド・カマビンガが抜き切られる前にカードが出ない程度のファールで止め、累積警告で欠場となったカゼミロの穴を埋めていた。

 データサイト「WhoScored.com」によると、この試合でレアルが放ったシュートはPSGの倍の21本。ボール保持率は44%と相手に上回れたが、1stレグのように消極的にならず、CL最多優勝誇るレアルが聖地で意地を見せ、奇跡ともいえる逆転を成し遂げたと言えるだろう。

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