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「できることは何もない」。マンチェスター・ユナイテッド、絶望的な引き分けで浮き彫りになる問題とは?【分析コラム】

シリーズ:分析コラム text by 本田千尋 photo by Getty Images

マンチェスター・ユナイテッド最新ニュース

プレミアリーグ第31節、マンチェスター・ユナイテッド対レスター・シティが現地時間2日に行われ、1-1の引き分けに終わった。トップ4入りが遠のく痛恨のドローはなぜ引き起こされたのだろうか。数々のタイトルを獲得してきた歴史あるクラブは、クリスティアーノ・ロナウドがいなければ何もできないチームへと落ちてしまったのだろうか。(文:本田千尋)


レスター戦で痛恨の引き分け

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【写真:Getty Images】

 一体、赤い悪魔としての矜持はどこに行ってしまったのか――。

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 現地時間4月2日に行われたプレミアリーグ第31節。マンチェスター・ユナイテッドは夢の劇場で痛恨のドローを演じた。代表ウィーク明けの初戦、オールド・トラフォードにレスター・シティを迎えた試合のスコアは1-1。試合後、ブルーノ・フェルナンデスは「誰もが失望している」と口にした。

 ポルトガル代表をワールドカップに導いた立役者は「この結果は僕らが望んだものではなかった。だけど、今僕らにできることは何もない」と、まるで“白旗宣言”と受け止められかねないコメントも残した。レスター戦を終えて、赤い悪魔のリーグ戦の順位は6位。今季の残りは、延期となった第30節のリバプール戦も含めれば8試合しかない。来季CL出場権獲得の可能性がどんどん小さくなっていく。

 なぜ、マンUはレスター相手に痛恨のドローを演じたのだろうか。

 まず、コンディションの問題が考えられる。代表ウィークで各国代表の活動に参加していた選手たちにとっては、所属クラブに戻った直後の試合でハイパフォーマンスを見せることは簡単ではない。特に、このレスター戦のフィールドプレイヤーは、ジェイドン・サンチョ以外の全員が直近の代表チームの活動に参加している。移動も含めた疲労の影響がピッチ上のチーム全体を覆っていたといって過言ではないだろう。

 このレスター戦で赤い悪魔の選手たちの足取りは重く、プレッシングに迫力はなく、パスのスピードも遅く、パスミスも散見された。挙句、11分や31分の場面のように、不用意なパスをさらわれてカウンターを喰らってしまった局面もあった。このようにコンディションの問題で、最低限の組織としての機能を維持できなかったことが、痛恨のドローの要因の1つだろう。

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