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レアル・マドリードにしかできない逆転勝利。0-2からセビージャ撃破、後半45分間に何が起きたのか?【分析コラム】

シリーズ:分析コラム text by 本田千尋 photo by Getty Images

アンチェロッティ監督の「修正」



 事実、今季の国内リーグ戦では、サンチェス・ピスファンでセビージャに勝ったチームは、現時点でレアルだけなのだ。それも難攻不落の要塞を単に落としただけでなく、2点差を追い上げてドローに持ち込むに留まらず、ATに逆転弾を叩き込むという芸当は、確かに「レアル・マドリードにしかできないこと」という大言に相応しいパフォーマンスと言えるだろう。

 より具体的には、セビージャ相手の“修正力”の発揮は、「レアル・マドリードにしかできないこと」と言えるかもしれない。

 試合後、アンチェロッティ監督は次のように振り返った。

「我々は前半に上手くいかなかった幾つかのことを直した。我々は2つ3つのことを修正した」

[4-3-3]というお馴染みの布陣でスタートしたレアルは、3トップに左からヴィニシウス・ジュニオール、ベンゼマ、フェデリコ・バルベルデの3選手が並び、中盤の3枚は左右インサイドにエドゥアルド・カマビンガ、ルカ・モドリッチ、アンカーにトニ・クロースという構成。このメンバーでは、なかなかボックス近辺でコンビネーションを構築できず、セビージャのゴールを脅かすことはできなかったのだが、アンチェロッティ監督は後半の頭に選手交代。カマビンガに代えてロドリゴを投入し、21歳のブラジル人FWを3トップの右に配置し、バルベルデを中盤に下げた。すると、後半は前半に比べて前線でのコンビネーションが活発になり、逆転劇に繋がっていく。

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