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アーセナルは本当に復調したのか? チェルシー撃破は実力か、偶然か。大量4ゴール奪取のキーマンは…【分析コラム】

シリーズ:分析コラム text by 安洋一郎 photo by Getty Images

勝利の立役者となったのは…


 チェルシー戦の勝利の立役者となったのはエディ・エンケティアだった。前節サウサンプトン戦で新型コロナウイルスの陽性反応を示したアレクサンドル・ラカゼットに代わって今季スタメンを飾ったエンケティアは、今節も引き続き先発に名を連ねた。

 17分にアンドレアス・クリステンセンのミスを突き先制ゴールを奪うと、57分にこの日2点目となる貴重な勝ち越しゴールを記録。自身が15歳まで在籍していた古巣相手に2ゴールを決め、チームの連敗を阻止する立役者となった。

 得点シーン以外での貢献度も大きく、特に前線からのプレッシングは非常に効果的だった。先制ゴールを決めたシーンもエンケティアが100%の力でプレスをかけたことによってミスを誘い、最終的に自分の前にボールがこぼれてきた形だった。

 エンケティアの前線からの守備が効果的だったことはデータにも表れており、データサイト『Sofa Score』によるとこの試合で3つのタックルを成功させている。これはガブリエウ・マガリャンイスに次ぐチーム2位のスタッツだ。

 前節の対戦相手であるサウサンプトンが後半に設定した最終ラインのように、自陣に引いた相手となると持ち味であるスピードが活かせず試合から消えることがあるのだが、今節の対戦相手であるチェルシーのように攻めてきてくれる相手であれば輝きを放つことができる。

 32試合目にしてようやく今季プレミアリーグで初ゴールを決めたエンケティア。得点以外での貢献度が高いとはいえ、ラカゼットはオープンプレーからのゴールが昨年12月に行われた第16節サウサンプトン以降なく、エンケティアが今節のようにゴール、そして得点シーン以外でのプレッシングやポストプレーもできるとなると序列が入れ替わる可能性もあるだろう。

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