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バルセロナ、劇的勝利の影にあった“弱み”。CL出場権確保も、タイトル奪還に向け獲るべき人物は?【分析コラム】

シリーズ:分析コラム text by 本田千尋 photo by Getty Images

弱みを克服するには?



 もちろんガビとフレンキーは、それぞれスペイン代表とオランダ代表に選出されているように、8番として優れた選手であることは疑いようがない。しかし、敵の選手と選手の“間”で受ける、という技術においては、やはりペドリが傑出しており、ペドリがいる/いないでバルサの中盤の構成力は大分変ってしまうことは、現状、否めない。

 では、来季以降に「タイトルを勝ち取るため」に、この“弱み”をどのように克服したらよいのだろうか。

 手っ取り早いのは、即戦力となる選手を、今夏の移籍市場で獲得することだ。

 例えば、イルカイ・ギュンドアン。

 実際に移籍が実現するかどうかはともかく、マンチェスター・シティ所属のドイツ代表MFを獲得することができたら、中盤の構成力を劇的に高めることができるだろう。現在ペップ・グアルディオラ監督の下でプレーしていることを考えれば、ギュンドアンは、割とすんなりバルサに馴染めるはず。トルコ系のドイツ人選手は「タイトルを勝ち取るためのメンタリティ」も兼ね備えており、チーム全体にもポジティブな影響を及ぼすだろう。

 何よりニコ、ガビ、そしてペドリら若手にとっては、歴戦のドイツ代表MFが競争相手となることで、その才能をさらに伸ばすことができるに違いない。むしろギュンドアンのような欧州トップクラスの卓越した選手でなければ、カンテラ(下部組織)育ちの“宝石”が競い合うことでさらに磨かれ、光り輝くことはできないだろう。ペップの薫陶を受けたギュンドアンの君臨は、そうした相乗効果をバルサの中盤にもたらすはずだ。

 いずれにせよ、今夏の移籍市場で効果的な補強を行うことが、来季以降に「タイトルを勝ち取るため」には必要だろう。

 アウヴェスが復帰したように、現役時代のシャビを再獲得できれば、申し分はないのだが――。

(文:本田千尋)

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