やられたのは“同じ形”
先述した通り、チェコ代表は守備時5-4-1を採用。基本的には構える形で、スペイン代表の攻撃を封じにかかっていた。
CFのクフタはアンカーのロドリに注意を払っていた。そのためセンターバックのエリック・ガルシアとI・マルティネスはほぼノープレッシャーでボールを持つことができ、ある程度のところまでは簡単に持ち運ぶことも可能となっていたのである。
そしてスペイン代表は守備時にボールの即時奪回を目指すため、前線の選手は相手陣内深くまで追いかけて行く。そうなるとE・ガルシアとI・マルティネスは常に高い位置を取っている状態に。最終ライン裏には、当然ながら広大なスペースが出来上がっていた。そこを、チェコ代表に突かれてしまったのである。
4分の失点シーンでは、1本のパスでクフタに背後のスペースに走られている。カルバハルがラインを上げきれていなかったことでオフサイドは取れず、最後はクフタと並走していたペシェクにゴールを奪われることになった。
66分の失点は、自分たちのミスがキッカケとなっている。
マルコス・アロンソのパスミスで相手にボールが渡ると、ヴァツラフ・チェルニーから1本のパスが前線に送られる。この時点でハーフウェイラインより手前にいたのはE・ガルシア1人のみ。そのE・ガルシアがパスを止めきれず、再びクフタに背後へのランニングを許すことに。最後はGKシモンとの1対1を冷静に決められてしまった。
2失点ともわずか1本のパスでクフタに抜け出されてゴール前への侵入を許し、得点へと繋がれているのは上記したことからも分かるだろう。ポルトガル代表戦から最終ライン全員を入れ替えた影響ももちろんあるはずだが、背後へのリスク管理という部分は明らかに怠っていたと言わざるを得ない。そこがしっかりとしていれば、被シュート3本で2失点という結果にはなっていないだろう。