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スペイン代表はなぜ大苦戦したのか? 機能しなかった3人のMFとチェコ代表に突かれた弱点【分析コラム】

シリーズ:分析コラム text by 小澤祐作 photo by Getty Images

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UEFAネーションズリーグ(UNL)のリーグAグループ2第2節、チェコ代表対スペイン代表が現地時間5日に行われ、2-2のドローに終わっている。2度リードされるもなんとか食らい付き勝ち点1を拾ったスペイン代表。一体なぜ、ここまでの苦戦を強いられたのだろうか。(文:小澤祐作)


土壇場で拾った勝ち点1

ルイス・エンリケ
【写真:Getty Images】

「とても難しい試合が私たちを待ち受けている」

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 チェコ代表戦の前日会見で、ルイス・エンリケ監督はそう話していた。その言葉通り、スペイン代表にとっては非常に難しいゲームとなった。

 2日にポルトガル代表とのタフな一戦をこなしていたスペイン代表は、同試合から先発メンバー8人を変更。GKウナイ・シモン、ガビ、パブロ・サラビアの3人が2試合続けてのスタメン起用となっていた。

 そのスペイン代表は、開始わずか4分でヤクブ・ペシェクにゴールを献上してしまったことで、その後の試合展開をより難しくしてしまった。事実、ファーストシュートを放つまで、実に27分もの時間を費やしていたのだ。

 やはりチェコ代表の5-4-1という守備陣形を崩すのは容易ではなかった。使えるスペースを見つけられず、ブロック外でのパス回しが散見。CFのラウール・デ・トマスは完全に空気状態となっていた。また、チェコ代表はGKシモンまでボールが下がった際にリトリートからハイプレスへとスイッチを切り替える。48分にはそのプレッシャーを受けてダニエル・カルバハルが自陣ボックス内でボールを失いピンチを招いてしまうなど、相手の“準備”にかなり苦労していた。

 探り状態が続いていたスペイン代表は前半アディショナルタイムに一瞬の隙を突いてガビがゴールを奪い同点に追いついていたのだが、66分にヤン・クフタに痛恨の勝ち越し弾を献上。その後はチェコ代表の守備強度が落ちたこともありゴール前まで侵入する回数を増やしていたのだが、肝心のゴールが遠く、1点ビハインドのまま90分を迎えてしまった。

 しかし、スペイン代表は意地を見せた。90分、コーナーキックのチャンスを得ると、マルコ・アセンシオの蹴ったボールをイニゴ・マルティネスがヘッド。クロスバーを弾いたボールはぎりぎりゴールラインを割り、土壇場で同点に追いつくことに成功した。試合はこのまま2-2で終了している。

 敗色濃厚だったものの、なんとか引き分けに持ち込んだスペイン代表。それにしても、チェコ代表相手になぜここまでの苦戦を強いられたのだろうか。

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