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古橋亨梧は「どこに立てばいいかを理解している」。スコットランド1年目で得た「強みが通用している感覚」【21/22欧州日本人総括コラム】

シリーズ:21/22欧州日本人総括コラム text by 舩木渉 photo by Getty Images

得点力だけでない古橋亨梧の魅力

古橋亨梧
【写真:Getty Images】



 辛口なOBも黙らせた。セルティックで選手やコーチとして活躍したジョン・コリンズ氏はクラブ公式TVの解説を務めた際に「キョウゴのプレーに対する姿勢を見て、セルティックサポーターや監督はとても満足しているはず。本人にとっては間違いなく喜ばしいことだ。そして、チームメイトも彼とプレーすることが大好きだろうね。彼の素晴らしい動きを見てよ。ゴールを決めるたびに満面の笑みを浮かべる、その姿を」と絶賛した。

 ゴールを決めるだけではない。序盤戦は1トップと左ウィングの2つのポジションで起用されながら(のちに指揮官はウィング起用を後悔することになる)、守備時に激しくプレスをかける献身性にも注目が集まった。コリンズ氏が「まるで猟犬のよう」と形容した運動量は、チームに活力をもたらした。

 ポステコグルー監督就任1年目で新たな戦術を導入し、適応に苦しむチームがなかなか結果を出せず批判を浴びる中でも、古橋はコンスタントにゴールネットを揺らして評価を高めていく。昨年12月上旬までにリーグ戦で8得点、ELなども合わせれば14得点という驚異的なパフォーマンスでセルティックを牽引した。

 昨年8月下旬の日本代表活動中には「チームメートみんなが信頼をしてパスを出してくれてることが一番なのかなと。ほぼほぼワンタッチかツータッチのゴールが多いので、僕もゴール前の駆け引きで勝つことがすごく大事だし、パスを出してくれる仲間がいることが大事なのかなと思います」と、古橋はセルティックで好調の要因を充実した表情で語っていた。

 ポルトガル人ウィンガーのジョタとのゴールデンコンビも生まれた。2人の連係でゴールを量産し、英『BTスポーツ』のインタビューに応じたジョタは「キョウゴは常にピッチ上でスペースを狙っているから、その意図を察してパスを送る。素晴らしい動き出しからゴールを決めてくれるよ。試合を重ねれば重ねるほど僕らのコンビネーションはもっとよくなる。キョウゴはフィールドで何かをやってのける選手。僕が見てきた中でも最高のプレーヤーの1人だ」と語ったほどだ。そのうえで、ジョタはこう続ける。

「キョウゴは英語がわからないと言っているけど、とてもいい奴だし面白い。僕が日本語を勉強して話せるようになるから、何も問題はない。何より重要なのは、ピッチ上でいい関係にあるということだ」

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