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古橋亨梧は「どこに立てばいいかを理解している」。スコットランド1年目で得た「強みが通用している感覚」【21/22欧州日本人総括コラム】

シリーズ:21/22欧州日本人総括コラム text by 舩木渉 photo by Getty Images

セルティック(古橋亨梧・旗手怜央・前田大然・井手口陽介)最新ニュース

 数多くの激闘が繰り広げられた2021/22シーズンが幕を閉じた。欧州各国でプレーする日本人選手たちは、果たしてどのような活躍を見せたのだろうか。今回は、スコットランドのセルティックに所属する古橋亨梧のシーズンを振り返る。(取材・文:舩木渉)



「長いようであっという間」の1年

古橋亨梧
【写真:Getty Images】

「厳しい1年でもあり、楽しい1年でもあり、長いようであっという間に終わった。すごく充実していましたけど、やっぱりまだまだ課題はあると思っているので、まだまだ成長しないと」

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 欧州初挑戦のシーズンを終えた古橋亨梧からは「1点でも多くゴールを決めたい」と、得点に対する欲が溢れていた。ヴィッセル神戸からスコットランドの強豪セルティックに移籍し、1年間で4つの大会を通して33試合出場20得点5アシストという成績を残した。

「僕がゴールを決められているのはたくさんの選手が後ろからゴール前まで(パスを)つないでくれているから。僕はゴールを決めるだけのポジションで決められていると思っているので、本当に周りに支えられて、たくさんの選手がパスをくれているので、感謝しかないです」

 どこまでもまっすぐで純粋な男だ。プレーだけでなく、その人間性でも「キョウゴ」はセルティック・パークを埋める熱狂的なファン・サポーターの心をつかんで離さない。

 だが、加入当初は古橋の実力に懐疑的な視線を向ける者も少なくなかっただろう。欧州での実績は皆無で、日本代表歴も浅い。極東の島国からフットボールの故郷へとやってきた無名のストライカーを無条件で「信じろ」と言う方が難しい。

 それでもアンジェ・ポステコグルー監督は徹頭徹尾、古橋への信頼を曲げなかった。横浜F・マリノス時代からポテンシャルを熟知していた指揮官は、セルティック行きが決まってすぐに古橋をチームに迎えて試合に使い続けた。

 するとUEFAヨーロッパリーグ(EL)予選からゴールを量産し、昨年8月8日に行われたスコティッシュ・プレミアシップ第2節のダンディーFC戦でいきなりハットトリックを達成する。セルティックのファン・サポーターは新戦力の日本人ストライカーの躍動を目の当たりにして、恋に落ちた。

 公式戦6試合で6得点と最高のスタートを切り、ポステコグルー監督も「私は彼を連れてきた初日から『非常に頭のいい、優れた選手だ』と言ってきた。だからこそ彼はあらゆる課題に対する解決策を見つけると確信している」とご満悦のようだった。

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