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久保建英 2年前

久保建英を待っていた2つの大きな壁。マジョルカでの重要度が低下…。それでもソシエダに評価される理由は?【21/22欧州日本人総括コラム】

シリーズ:21/22欧州日本人総括コラム text by 小澤祐作 photo by Getty Images

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数多くの激闘が繰り広げられた2021/22シーズンが幕を閉じた。欧州各国でプレーする日本人選手たちは、果たしてどのような活躍を見せたのだろうか。今回は、スペインのマジョルカに所属する久保建英のシーズンを振り返る。(文:小澤祐作)


長期離脱などがありリズムに乗れず

久保建英
【写真:Getty Images】

 予想以上に難しいものとなった。久保建英の2021/22シーズンを短くまとめるならば、この表現が適切と言えるのではないだろうか。

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 東京五輪での激闘を終え、マジョルカでの“再スタート”を切った久保は、いきなり壁にぶち当たった。第6節レアル・マドリード戦でカリム・ベンゼマとの競り合いの際に膝を負傷し、結果として約2ヶ月の長期離脱を強いられることに。新たなチームの戦い方に慣れてきた中での長期に渡る戦線離脱は当然痛く、実際「手応えを感じていた矢先の怪我だったので、もったいないことをした」と久保自身は当時のことを振り返っている。

 戦列復帰後2試合目の出場となった第16節アトレティコ・マドリード戦は、久保の2021/22シーズンにおける最大のハイライトとなった。1-1で迎えた後半アディショナルタイム、相手が前掛かりになっていた中で広大なスペースへ抜け出し、最後はGKヤン・オブラクとの1対1を冷静に制してマジョルカを劇的勝利に導いたのである。

 しかし、これで勢いを取り戻すかと思われたが、運が悪かった。マジョルカは12月下旬にトップチームの選手4人とスタッフ3人が新型コロナウイルスに感染したことを発表。久保はクリスマス休暇明け後の第19節バルセロナ戦とコパ・デル・レイ3回戦エイバル戦の欠場を余儀なくされるなど、なかなか良いリズムを掴むことができなかった。

 マジョルカは1月のリーグ戦を全敗で終えたが、2月最初の2連戦、カディス戦とアスレティック・ビルバオ戦で勝利を収めることに成功。ルイス・ガルシア・プラサ監督が頭を悩ませていた最前線の枠に、冬に補強したCFヴェダト・ムリキが即フィットしたことが大きかった。その中で久保も躍動しており、ビルバオ戦ではアシストを記録するだけでなく、GKウナイ・シモンのオウンゴールを誘発(ほぼ久保のゴール)と大活躍だった。

 しかし、巨漢FWムリキ頼みの攻撃はすぐに対策され、マジョルカは連勝後のベティス戦、バレンシア戦、レアル・ソシエダ戦、セルタ戦、マドリー戦をすべて黒星で終えることに。そして第29節エスパニョール戦を0-1で落とし6連敗となったところで、クラブはルイス・ガルシア監督を解任。後任に元日本代表指揮官でもあるハビエル・アギーレを迎えた。

 その結果、久保はさらに大きな壁にぶつかることになった。

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